532 薄情な花婿 ジェイン・アン・クレンツ

薄情な花婿 (ハーレクイン・アフロディーテ)

薄情な花婿 (ハーレクイン・アフロディーテ)

ケイティは出会った12歳の時からギャレットに憧れていた。やがて、ギャレットはロデオの世界に飛び込んで行き、しばらくして牧場主の経営コンサルタントを始め、成功を掴む。
ケイティは大学で優秀な成績を納め、仕事に就くが、故郷の父の牧場に帰ることを決め、マネージャーとして働き始める。ギャレットが牧場にやって来た時、二人は久しぶりに顔を合わせた。ギャレットはケイティこそ自分が望む妻になる人だと感じ、デートに誘い、プロポーズする。
ケイティはギャレットを愛していた。無口な彼は、経営や買い取った家のことしか話そうとしないが、自分を愛していてくれるはずだ。だが、結婚式が近づくにつれて、ケイティは取り返しのつかない過ちを犯そうとしているのではないかと悩んだ。結婚式は完璧だった。そして、初夜の床で、ケイティはギャレットに愛していると告げるが、彼からの返事はなかった。やはり、彼は都合のいい妻を求めていただけだったのだ。翌朝、一睡もしなかったケイティはギャレットを問い詰め、愛していないという言葉を聞いて、離婚を告げた。ギャレットは従順だったケイティが激怒していることに当惑し、事態を収拾させるために思案する。彼女の罪悪感を利用することを決めたギャレットは、何とか3カ月の猶予を得、その間に彼女を取り戻そうとする。夫が自分を求めていることはわかっていた。だが、欲しいのは愛だ。口論を繰り返しながら、二人はお互いを知っていった。ギャレットは不安を抱えていた。慎重にしないと彼女を失ってしまう。激情にかられて、ギャレットはケイティを絶対に手放さないと告げる。友人の漏らした言葉から、ケイティは真実に気付く。ギャレットはケイティを手放さないで済むなら何でもするだろう。彼にとっては、それが愛なのだ。ケイティはギャレットにずっと傍にいると言ったが、今となっては彼には十分でなかった。愛の言葉を聞きたがる彼にケイティは当惑した。ギャレットは自分も学んだことがあるのだと答え、ケイティの心を突き返すことなどしないと言った。恐る恐る口にした愛の言葉に、ギャレットは自分も愛していると答えた。そして、それに気付かなかった自身の愚かさを悔やんでいた。二人はお互いの望むものを手に入れたのだ。


一度愛に失敗した彼は、愛なんて信頼できないものでなく、相性で相手を決めた。御しやすいと思っていた彼女は、複雑で女らしい面を持ち、彼を当惑させる。彼は激怒し、嫉妬し、不安になりながら彼女が自分のものであることを確信していた。女は強いんだよって話。