531 思い出のなかの結婚 キャサリン・スペンサー

思い出のなかの結婚 (ハーレクイン・ロマンス)

思い出のなかの結婚 (ハーレクイン・ロマンス)

メイプは学校で、いつも場違いだという居心地の悪さを感じていたが、校長は彼女を称賛し、誇りを与えた。やがて、天職を見つけたメイプは、顧客から旅行をプレゼントされ、旅行先でダリオと出会う。洗練されたダリオに自分は不釣り合いだと感じながらも、彼の誘惑に抗えず、案内されたヨットで彼の手に落ちた。しかし、メイプがバージンであったことに危機感を感じたダリオは、彼女に別の男性と付き合うように勧め、彼の意図を示す。お互いに恋に落ちたと信じていたメイプは、自尊心を奮い立たせ立ち去った。
ダリオは自分がろくでなしなどではないと弁解したかったが、彼女に永遠など与えられないことはわかっていた。だが、5ヶ月後、ダリオはメイプの住所を調べ、忘れられなかった彼女に会おうとする。自問自答を繰り返し、立ち去ろうと決心したダリオの目に飛び込んだのは、妊娠したメイプだった。27歳までバージンだった彼女が、すぐに他の男性を見つけたとは想像できない。自分の子供だ。即座にダリオは結婚を口にしたが、メイプを説得するのに苦労した。子供に相応しい家庭を与えるためだ。ダリオの母セレステは、息子を罠にかけたとあからさまにメイプを軽蔑していた。メイプが同郷のイブと親しくなったことを、ダリオに言いつけたのはセレステだった。そして、メイプはイブの運転する車で事故に合い、重傷を負った。病院で目覚めた時、メイプの頭から最近の記憶が抜け落ちていた。夫のことも、息子のことも全て。両親は亡くなり、家は売りに出されたことは覚えていた。退院後、帰る家が夫の家と聞いてメイプは戸惑う。ダリオは見るからに裕福でハンサムだった。でも、再び彼に恋するのに時間はかからなかった。ダリオはメイプが息子を連れてイブと逃げようとしたことを疑っていた。真実を知りたいのはお互いだったが、ダリオはメイプを誘惑した翌朝彼女に与えた動揺や苦痛などは思い出して欲しくなかった。医師はダリオに時間をかけることを促した。しかし、メイプは納得しなかった。全てを話すことを決めたダリオはメイプをヨットに連れて行き、お腹の大きな花嫁の写真を見せた。ダリオの話を聞きながら、メイプの記憶は戻って行った。家庭を崩壊させないためには、彼を許し未来を見つめることだ。ダリオはメイプを愛していると告げた。メイプは夫と息子のために、義母と向かい合うことを決意した。セレステは記憶が戻ったと聞いても、喜ばなかった。だが、メイプはダリオと息子を愛している気持ちは同じなのだからと説得をし、セレステの心を動かす。メイプはやっとダリオの家族として受け入れられ、居るべき場所に帰った。


予期せぬ妊娠が、二人を結びつけたが、心は理解不能だった。いくら裕福でハンサムでも、こんな男殴ってやりたいわ。