525 眠らない月 ヘザー・グレアム

眠らない月 (MIRA文庫)

眠らない月 (MIRA文庫)

不実なボーイフレンドと喧嘩したダーシーは、親友のジョシュとプロムに出かけた。楽しい時間を過ごした後、ジョシュと車に乗り込んだダーシーは、危険な並走をする車に気付く。避けようとはしたものの、二台の車は事故を起こし、ジョシュは亡くなる。事故の後、ダーシーは空気のようにジョシュが傍にいることを感じ、超自然的な力をジョシュから受け継いだことを知った。ジョシュの父アダムは、ダーシーの相談を受け、自分の調査会社に彼女を招き入れた。
マットは先祖から受け継いだメロディー邸に幽霊が出ることを信じていなかったが、アダムから調査したいと頼まれ、それを受け入れた。だが、やって来たのはアダムではなく、魅力的な女性であったことがマットを苛立たせる。ダーシーはその美しい部屋に潜む悪意に気付き、霊を解放することを決意する。首のない女性が徘徊するという噂の森で、ジョシュの助けを借りて頭蓋骨を掘り当てたダーシーは、周囲から称賛を受けるが、マットは懐疑的だった。ダーシーに惹かれる気持ちと彼女を恐れる心にマットは揺れる。ダーシーは夢で断片的に過去にあった事件を体験し、男に殺された女が、いまだに男を恐れて助けを呼んでいることを知った。霊に導かれて、ダーシーは小屋の地面から殺された女の骨を見つける。だが、安置されていたはずの骨は盗み出され、マットはFBIの友人に助けを求めた。
男はメロディー邸の幽霊が出ると言われる部屋に、女を連れ込むことを楽しんでいた。だが、女たちはすぐに無分別な期待を抱く。ありもしない永遠を望むようになるのだ。そんな女たちを彼は罰してきた。絶対に見つからないと信じていたものをダーシーが見つけ出したことから、男はダーシーに報いを受けさせることを決意する。
ダーシーは犯人の横に漂う霊に気付く。ジョシュの助けでダーシーの危機に間に会ったマットは彼女を救い出し、犯人は霊に絡め取られて、谷底に落ちて行った。事件は解決したが、愛し合う二人に未来がないことをダーシーは、理解していた。霊能力者としての自分を彼は受け入れられないだろう。しかし、マットは二人はうまくいくとジョシュが言ったと告げる。そして、結婚式には招待して欲しいと言っていたと加えた。


無害な南北戦争の霊たちに交じる凶暴な霊の存在に、数々の女性が悩まされていた。被害者は女性だけで、霊は犯人の男をいまだに恐れ、彼の名前さえ言うことができない。過去の遺物だと思っていたダーシーは、霊が凶暴になったのが最近であることに気付かずにいた。第6感を持つ女と頭の固い男の恋物語です。