504 仕組まれた恋愛 ナタリー・アンダーソン

仕組まれた恋愛 (ハーレクイン・アフロディーテ)

仕組まれた恋愛 (ハーレクイン・アフロディーテ)

エマは幼い頃から父親から努力を求められ、父の称賛を得るためだけに費やしてきた。会計士として成功してからは、上司マックスのために、寝る間も惜しんで仕事に心力を注ぎ込んだ。だが、同僚の心無い噂話が耳に入って来た時、エマは傷つき、自分が退屈な仕事人間などでないことを証明したいと考える。バーでジェイクに再会した時、エマの心の中に同僚たちを見返してやりたいという思いが浮かんだ。幼馴染のジェイクは、さらに素敵になっていた。ジェイクは仕事で一月程滞在することになっていた。エマの話を聞くと、ジェイクはエマのイメージを変える手助けをすると提案する。エマは彼を意識するようになってからずっと片思いをしていた。自分の気持ちを悟られずに、ゲームを楽しむことなどできるだろうか。二人の交際を周囲に示しながら、ジェイクは悶々としていた。彼女を欲しいという思いは日に日に高まっている。自分は彼が普段選ぶ女性たちと違う。しかし、ジェイクの誘惑にエマは拒むことなどできなかった。二人は恋人となったが、ジェイクの滞在期間だけの仲だと、エマにはわかっていた。
ジェイクはエマの秘密に気付いた。締め切られた部屋には、彼女が描きためた絵があり、その素晴らしさにジェイクは感嘆する。誰にも見せるつもりは無いと言うエマに黙って、写真を知り合いの画廊に送ったジェイクは、画廊主の言葉を聞かせるために、エマを画廊に連れて行く。だが、称賛を受けても、エマは喜ばなかった。エマは評価を受け、落胆されることを恐れていた。絵は彼女の密やかな楽しみだったのだ。それを勝手に人目に晒したジェイクに、エマは怒りを感じた。そして、エマの拒絶に腹を立てたジェイクは去って行った。だが、自宅に戻ったジェイクは自分の失敗に気付いて愕然とする。彼は結婚など考えたこともなかった。しかし、エマに感じる独占欲とエマのこと以外考えられない自身を思えば、答えは明白だった。
エマは一人になって熟考した。そして、ジェイクが正しかったと結論を出す。頼まれていた挿絵と共に油絵も送ったエマは、辞表を書いた。数日後、エマは送った油絵が絶賛され、関連商品や展覧会も計画されていることを知らされた。これからは、やりたいことをやるのだ。
ジェイクはこれまで行ったことのなかったエマの家のパーティに出かけて行った。そして、驚くエマを隣の我が家に連れて行き、彼女に愛を告げ、チャンスが欲しいと言った。チャンスなんて必要ない。エマはジェイクのプロポーズにイエスと答えた。


お互いに、初めて欲望を感じた時は、まだ相応しい時期ではなかった。資産を築き、裕福なプレイボーイだったジェイクは、気軽な相手になろうとして自身の思いの深さに抵抗する。運命の相手だったという訳ですね。