502 ベローナに散る ジュディス・アーノルド

ベローナに散る (ハーレクイン・アフロディーテ)

ベローナに散る (ハーレクイン・アフロディーテ)

父の経営に我慢できなかったオーウェンは、辞職してイタリアにやって来た。ベローナの庭で、ジリアンと目が合った時、彼女こそ運命の女性だと確信する。しかし、恐れを感じたジリアンは知りあう猶予も与えず去ってしまう。二年後、二人は思いがけない場面で再会した。オーウェンは買収した会社の社長として、ジリアンは買収された会社の組合の弁護士として。ジリアンの父は組合長として、オーウェンと敵対することを明らかにした。悪名高い会社のトップとして、父の犯した罪を背負いながら、オーウェンは組合を解散させることは考えていないことを説いたが、ジリアンの父は話を聞こうともしなかった。運命に導かれてジリアンの元に来たことを、オーウェンは信じ、彼女を手に入れた。二人はお互いの愛を確認し合ったが、ジリアンの父の反対に合う。彼は会話しようとするオーウェンを暴力で退去させようとし、反撃に合って足を滑らせ倒れた。オーウェンはジリアンのために立ち去り、彼女からの連絡を待った。彼女は自分を許すことができるだろうか。思い余ったオーウェンは、ジリアンの親友に電話し、ジリアンを失ったと知らされる。失意の中で、オーウェンは仕事から離れることを決意し旅立った。ジリアンは父の看病と仕事に忙殺されていたが、頭の中はオーウェンで一杯だった。やがて、父は回復に向かい、会話もできるようになり、自分が強硬に拒絶していたオーウェンの提案が、自分の生活全てを手厚く守っていることを知る。自分は間違っていた。父はジリアンに、オーウェンを愛しているのかと聞いた。ジリアンがイエスと答えると、父はジリアンに彼の元に行くよう勧める。だが、問題は解決したと伝える術はなかった。電話は通じず、手紙に返事もない。塞ぎ込むジリアンに、父は旅行を提案し、費用を出してくれた。ジリアンは、この思いに別れを告げるために、オーウェンと出会ったベローナに向かい、ジュリエットの棺の話を聞く。恋の悩みを手紙に認めて、棺に投げると願いは叶えられる。ホテルの便箋に書いた手紙を棺に投げ入れた時、ジリアンは傍らに佇むオーウェンに気付く。手紙の内容を打ち明けた時、二人はお互いの行き違いに気づき、喜びに震えた。これからどうするのかという幾度となく交わされた、その質問にオーウェンは自信を持って答えた。ジリアンの住むところが、自分のいるべき場所なのだと。


完璧なハッピーエンドを望むジュリエットの願いに、選ばれてしまった男女の苦しい恋の話。