501 めぐりくる運命 ナンシー・ウォレン

めぐりくる運命 (ハーレクイン・アフロディーテ)

めぐりくる運命 (ハーレクイン・アフロディーテ)

メルセデスはデニスと目が合った途端、恋に落ちた。家まで送ってもらって服を脱がせ合っている時になって、お互いに名乗ってもいないことに気付いた程、夢中だった。情熱的な3カ月の後で、レストランでデニスの両親に出会った時、恥じ入るデニスを見て、メルセデスは二人に未来はないと突然悟る。激怒するメルセデスは、部屋にある物を手当たり次第デニスに投げつけ、二人の交際は終わった。
メルセデスは経営するエステのあるビルで、独身女性だけの集まりに参加していた。交際がうまく行かなかった有望な男性を他の女性に紹介する目的で、毎週月曜にカードを引くことになっていたが、三カ月後のその日、メルセデスが引いた相手はデニスだった。彼に連絡することなど、有り得ない。だが、事業拡大を計画するメルセデスに、会計士から資料をデニスに送ったと連絡が入る。手違いだと言えば済む話だったが、メルセデスには他に知り合いの弁護士などいなかった。
突然のメルセデスからの電話に、デニスは興奮する。デニスはいまだに二人が別れた理由がわからなかった。自分たちには未解決の問題が残っている。メルセデスは誤解している。自分は身体だけを求めている訳ではないことを証明したい。二人の間の情熱は醒めてはいなかったが、メルセデスの心は傷つくことを恐れていた。融資を決めていた銀行が、前言を翻し、連帯保証人を求めて来る。デニスはメルセデスへの全幅の信頼を示すため、自分が保証人になると会計士に打ち明ける。そのことを知ったメルセデスは、デニスが自分の成功を信じていることに、心を打たれた。しかし、メルセデスが他に保証人を見つけたことを知ったデニスは、自分が拒絶されたと誤解し、別れを決意する。ブーツ同盟の面々は、このまま二人が終わってしまうことを懸念し、一計を案じる。励まされてメルセデスは、デニスのオフィスに出向いた。彼女が差し出した袋の中には、先祖の石が入っていた。メルセデスは、デニスに自身の歴史の一部をプレゼントし、彼に自分の未来の一部になって欲しいと言った。愛していると言うメルセデスに、デニスも愛していると答えた。


情熱的で短気な女性と、温和で由緒正しい男性の恋物語。温和ゆえ、両親に政治家になりたくないことや、母が望む幼馴染との結婚に興味がないことも、はぐらかすばかりにしていた。決然とした態度を取ることを決めた時には、全てが遅すぎた。だが、失意に沈む彼を彼女は救う。という話。