499 リオの夜は熱く ジェニー・ルーカス

リオの夜は熱く (ハーレクイン・ロマンス)

リオの夜は熱く (ハーレクイン・ロマンス)

貧しい家に育ったエリーは、15歳の時ティモシーにプロポーズされた。同情を感じたエリーは拒んだが、ティモシーは諦めなかった。ロースクールを卒業したティモシーは、弁護士として成功を見せ、彼女のために豪邸を買い、踏み切れないエリーに仕事を紹介した。ティモシーのボス、ディエゴに会ったエリーは、彼に恋してしまう。やがて、ディエゴとティモシーは諍いを起こし、ティモシーは退職したが、エリーは秘書の仕事を辞めなかった。だが、虚しい恋に期待するなんて馬鹿げていると、やっとエリーはティモシーのプロポーズに承諾した。
ディエゴはエリーに欲望を感じていた。同乗していた車がリオのカーニバルに出会った時、二人の欲望は燃え上がり、ディエゴはエリーの純潔を奪った。理性が戻って、我に帰ったディエゴはエリーが変な期待を持たないように彼女を避けた。三カ月後、ティモシーとの挙式の当日になって、妊娠に気付いたエリーは悲壮な決意でディエゴに打ち明けたが、返って来たのは嘲りの言葉だけだった。もう二度と会わない。そう告げてエリーが立ち去った後で、ディエゴはエリーのお腹の子供の父親は自分かもしれないと思いつく。
エリーの妊娠にティモシーは激怒していたが、結婚し、子供の面倒は見ると言った。エリーは愛してもいない男と結婚することを、いまだ迷っていたが、もはやどうすることもできなかった。だが、式の最中ディエゴが乱入し、エリーを無理やり連れ去った。ディエゴは出産が終わるまで、エリーを監禁し、生まれた子供は彼が引き取り、エリーには金と自由を与えると言った。母親から子供を取り上げるなんて、信じられない。子供は売らないというエリーの言葉に、ディエゴは疑問を持った。ティモシーの副業を知らないのか。貧しい母親から赤ん坊を買い取り、裕福な家庭に売るというティモシーの副業を聞いて、エリーは驚いた。エリーが立派な母親になろうとしていることを知ってディエゴは二人で育てようと言った。しかし、超音波で子供の映像を見たディエゴは、子供を非嫡出子として出産させることに動揺する。この双子には完璧な守りが必要だ。結婚など考えたこともなかったディエゴはエリーに結婚を申し込んだが、エリーは喜びもせず拒絶した。彼は父親に相応しくない。だが、頑ななエリーをディエゴは無理やり司祭の元に連れて行き強引に結婚してしまう。ディエゴが隠す浮気相手を見るために、エリーは彼の後をつけ、彼の娘に出会う。カティアは全身で父親を拒絶し、攻撃的だったが、エリーはその姿に昔の自分を見た。エリーはカティアの心を開かせ、奇跡を起こす。義母の愛を受けて、カティアは愛らしい娘に変わって行き、ディエゴは温かい家庭を楽しんだが、突然脅迫状が送りつけられる。家族を失うことは死に等しい。それが、今まで否定していた愛であることに、やっとディエゴは気付いた。ところが、いきなり会社にやって来たエリーは、自分の愛に応えてくれない夫とは生活できない、離婚して愛するティモシーと結婚すると告げて出て行った。愛する女性に無理強いすることは、もはやできなかった。だが、エリーの言葉を反芻したディエゴは真実に気付いた。彼女は子供たちを守ろうとしている。エリーはティモシーにカティアを解放させた。陣痛が始まり、エリーはティモシーに赤ん坊を渡してはいけないと自分に言い聞かせていた。
ディエゴは信頼していた護衛の裏切りを知り、カティアを保護した後、エリーの救出に向かった。愛は自分を弱くするのではない。命をかけても悔いないほど、力がみなぎっている。なだれ込んで来た男たちに、敗北を感じたティモシーは銃を自分に向けた。自分の全身で、エリーとおなかの子供たちを守ろうとしていたディエゴは、心から彼女を愛していることをエリーに伝えた。


波乱万丈な話。どん底から這い上がり、自分の欲しいものは何でも奪い取って来た傲慢な男が、真実の愛に目覚めるという話です。