493 天使のたくらみ デビー・マッコーマー

天使のたくらみ (ハーレクイン・スポットライト)

天使のたくらみ (ハーレクイン・スポットライト)

アンは夫バートンを愛していたが、バートンはアンの才能を見くびっていた。一人息子ロイは婚約者エイミーを両親に紹介し、バートンはエイミーに惹かれてしまう。バートンはアンを騙し、財産のほとんどを奪って離婚し、エイミーと結婚した。ロイは自分の行為が、母から夫を奪い、家庭を壊してしまったことを悔やみ、冷ややかな人間となる。アンは自分の愚かさと悲しみに暮れたが、やがて全てを受け入れ、遠ざかっていた絵画に慰めを求めた。父を許した母を、ロイは信じられなかった。彼の心は凍りつき、父からのアプローチの一切を拒絶した。アンは心を閉ざしたロイの幸せを神に祈った。
空の上でアンの祈りを受けた天使たちは、彼女の望みを叶えるため地上に降りて来た。信仰心を失いかけたアンの前に、天使は降り立ち、アンは憑かれたように絵筆を握った。
ロイはディーンという男性を警備に雇い入れた。だが、ディーンの娘ジュリーとの出会いは最悪だった。天使たちはジュリーとロイを取り持つために骨を折った。二人は次第に惹かれ合うが、ロイの信念は変わらなかった。金で買えないものなどない。ジュリーはロイを愛するようになるが、彼の考えを変えることはできなかった。ロイは愛情に不信感を抱き、ジュリーの言葉を信じようとしなかった。話し合いは決裂し、二人は離れた。ロイはジュリーから渡された手紙を捨て、一人ぼっちで部屋にいた。捨てたはずの手紙がテーブルにあり、ロイはそれを手に取り、何度も読んだ。自分は全てを台無しにしようとしていた。決意したロイはジュリーの家を訪ね、彼女にプロポーズする。彼女を信頼し、愛している。ジュリーはロイの本来の姿に喜び、結婚を誓った。
アンの描いた天使の絵は、エイミーの目に止まり、バートンは大枚を叩いて買い取った。元妻の描いたものとは知らずに。


三人の天使が、ドタバタ劇を繰り広げ、カップルを成立させていく話は、結構ありますね。その一つです。