490 黒い魔性 トーリ・キャリントン

黒い魔性 (ハーレクイン・アフロディーテ)

黒い魔性 (ハーレクイン・アフロディーテ)

保険会社に務めるアレックスは、ダークマンという異名を持つ泥棒を追っていた。殺しも厭わない、その盗賊は姿も名前さえも知られていなかった。アレックスはダークマンを追い詰める手始めとして、泥棒から盗む女に目を付けた。ニコールは神出鬼没だった。しかし、尾行の甲斐あって、アレックスは彼女を捕えることに成功する。
ニコールは父を罠にかけた男に報復したかった。アレックスと手を組み、会社の機密文書の中から、ニコールはダークマンが次の標的にすると予想される物件を見つける。しかし、アレックスはダークマンを罠にかけるために、偽の高価な物件を作ると提案した。狡猾なダークマンは、罠にはかからない。二人は愛し合うようになるが、ニコールが仕事から足を洗おうと決意した時、アレックスの信頼は得られないと痛感させられる。ニコールは一人博物館で見張りをしていたが、犯人たちに拉致されてしまう。縛りあげられ、絶体絶命のニコールを救いに現れたのはアレックスだった。ダークマンは自分の妻がニコールのせいで逮捕されたことを恨み、ニコール自身だけではなく、父や弟まで刑務所に送ろうとしていた。しかし、なだれ込んで来た警官を見て、ダークマンは自ら死を選んだ。アレックスはニコールとその弟が自分の調査を助けていたと警官に説明し、二人は罪を免れた。だが、ニコールはそのまま姿を消す。一月が過ぎ、彼女が戻ることはないと諦めかけたアレックスの元に、調査報告書が届いた。アレックスはニコールを迎えに行き、愛を告白した。ニコールは彼のプロポーズにイエスと答えた。


母は父と結婚した時、ティファニーのショウウィンドウで足を止め、生まれた娘にホリーという名前をつけた。娘は大きくなって、父から盗みを学び、ティファニーの宝石を盗むようになる。宝石は数日後には、持ち主に返したが、彼女自身、自分が何を求めているのかわからなかった。夫から妻に愛と共に送られる装飾品に勝るものなどないと、最後に彼女は悟る・・・という話です。