488 恋をオークション ニコラ・マーシュ

恋をオークション (ハーレクイン・アフロディーテ)

恋をオークション (ハーレクイン・アフロディーテ)

母から離れて、一人アメリカに渡ったケイトは、タイと出会い恋に落ちた。婚約はしたものの、二人は自身の目標を理由に別れを決意する。6年が過ぎ、ケイトは雑誌社で不動の地位を得、成功を手にしていた。チャリティーオークションの候補者リストに、タイの名前を見つけた時、ケイトの胸は轟いた。悩みながらも、出席したケイトは久しぶりに見る彼の姿に、自分に及ぼす力を感じる。同僚にそそのかされたケイトは、ワインの力も加わって、彼に入札してしまう。だが、他の入札者への嫉妬と対抗意識のせいで、つい彼を落札してしまう。馬鹿なことをしてしまった。ケイトは後悔し、1週間の奉仕は必要ないと告げた。
タイはケイトに再会したことも、彼女が自分を落札したことにも驚いた。膝を負傷して、シールを除隊したタイは指導者として働いてはいたが、仕事を失う診断を待っているところだった。診断が下るまでの一週間を、ケイトとの思い出を作ることに使いたい。彼はいまだに彼女を求めていた。
ケイトは二度とタイに近づくまいと決意していたが、編集長はその記事を書くことを条件に、編集長の椅子を彼女に譲ると言った。このチャンスを捨てるなんて、愚かだ。ケイトは一週間タイと過ごすことを決め、必死で自分の心と戦おうと努力する。やがて、ケイトは敗北を知った。彼を愛している。だが、タイは契約が終わったら、ケイトの人生から去ることを、はっきり告げた。彼がそれしか与えられないと言うなら、それだけを受け取ろう。しかし、ケイトは諦めきれなかった。ケイトはタイを追いかけ、全てをさらけ出した。だが、返って来た答えは、拒絶だった。傷心のまま、ケイトは休暇を取り、母のいるオーストラリアに帰った。もう、諦めるしかないのだ。空虚な心を故郷は慰め、母との関係を彼女に見直す機会を与えた。突然現れたタイは、彼女に真実を語った。全身全霊をかけて愛している。彼女を失ったら生きてはいられない。二人はやっとお互いを手に入れた。


彼女の幸せのために、自分は身を引くべきだ。そんな馬鹿な男の話。