486 ジャスミンは誘惑の香り ハイディ・ライス

ジャスミンは誘惑の香り (ハーレクイン・アフロディーテ)

ジャスミンは誘惑の香り (ハーレクイン・アフロディーテ)

父は後継ぎを産ませるために、母を利用した。息子が生まれると父は母に興味を失くし、放蕩の挙句、亡くなった。母は父への憎悪を二人の息子に浴びせ、兄リンクは家を出て行った。残されたモンローはガールフレンドが未成年であることを、母に告発されて少年院に入った。一人放浪する身になった後、立ち寄った酒場の喧嘩に巻き込まれたモンローは、放り込まれた刑務所で屈辱的な歓迎を受けるが、そこで出会った絵画は彼に癒しを与えた。成功を掴んだリンクは、弟の行方を捜したが、所在はわからなかった。妻のアリはモンローに届くことを祈って、手紙を送った。モンローは、兄の妻からの手紙をボロボロになっても捨てることができなかった。やがて、立ち寄ってみたいという気持ちに勝てず、近くまで行ったモンローは、兄の成功を知った。ここは自分のような人間が来るような所ではない。名乗ることもせず、立ち去るつもりでいたモンローは、アリに見破られて、滞在を余儀なくされた。居候になるつもりはない。だが、愛し合う夫婦と幼い姪は、モンローに自分に禁じた願望を思い出させた。そして、アリの妹ジェシーはひどく魅力的だった。ジェシーは自分に相応しい相手ではない。彼女には幸せな結婚と子供たちを与えてくれる男が相応しいのだから。
ジェシーは自分に画才がないことに気付いた後、見る力があることに気付いた。画廊で働くジェシーは、モンローの描いた絵を見たいと思っていた。二人は惹かれ合い、モンローの部屋で過ごすようになる。彼の絵の才能に、ジェシーは感激した。モンローはジェシーを手放したくないと願いながらも、去らなくてはいけないと思っていた。情熱に流された後、ジェシーは妊娠に気付く。しかし、それを聞いたモンローは自分の子ではないとジェシーを責めた。彼は昔、医師から無精子症だと診断を受けていたのだ。頑ななモンローに落胆したジェシーは、友人から紹介された仕事を受けることを決め、出て行った。話を聞いたリンクは、自分のために再検査を受けてくれと言った。結果は予想通りで、モンローは自分に子供が生まれる幸運を噛みしめた。ジェシーを見つけて、許しを乞わなくてはいけない。しかし、アリは教えることの引き換えに、モンローの絵を知り合いに見せろと言った。自信などなかったが、モンローは自分の絵を持って画廊に出かけた。オーナーは即座に大々的な初個展を行うと請け合った。そのまま、ジェシーに会いに行ったモンローは、彼女の激怒をかわし、本心を告げた。自信がなく、臆病で、愛を口にすることもできなかった男の本心を聞いて、ジェシーは呆れ、ますます彼を愛していると感じた。彼は私のものだ、永遠に。


自分に自信のない二人の男女が、惹かれ合い、結ばれるという話。気性は荒いのに、気が弱いって笑っちゃうよね。