482 恋と惑いの週末 ヘレン・ブルックス

恋と惑いの週末 (ハーレクイン・ロマンス)

恋と惑いの週末 (ハーレクイン・ロマンス)

建築士として働くベスは、キースと出会い結婚する。しかし、両親が事故で亡くなった時、彼への信頼は打ち砕かれた。キースには、内縁の妻と二人の娘がいたのだ。即座に離婚したベスだったが、痛手を忘れるために仕事に打ち込んだことが彼女を蝕み、ついには医師から療養を命じられる。誰からも離れて、一人で過ごしたい。ベスは静かなコテージを借り、飼い犬のハーベイを連れて今までの世界から離れることを決める。コテージに到着した夜、ベスはうっかりパジャマ姿でドアの外に出て、家から閉め出されてしまう。鍵も何もかも家の中で、入るには窓を壊す以外ない。当惑したベスは、私道を近づく車の音に気付いて助けを期待するが、車を止めた男性は、自分の別荘に来るよう提案した。見知らぬ男の家に泊まるなんて、問題外だ。しかし、このままここにいたら凍えてしまう。ベスは渋々ハーベイと共に、彼の車に乗り込んだ。トラビスはベスに一夜の宿と食事と着替えを与えてくれた。翌朝は、コテージの管理者と連絡も取ってくれ、コテージまで送り届け、去って行った。ベスはどこか失望も感じていたが、二度と会うこともないと思ってもいた。しかし、突然トラビスが訪ねて来る。ベスは居座るトラビスに礼儀上夕食を招待する必要性にかられた。帰り際、トラビスは翌日のランチを告げる。行くつもりはないと答えたベスは、翌朝ハーベイを連れて出かけ留守にしたが、罪悪感を感じる。夕方、通りかかったトラビスは、ベスの謝罪を聞き、それなら隣人として時々食事をしようと提案する。トラビスと過ごす時間は、楽しかった。だが、ベスは男性も自分の判断力も信じられなかった。やがて、ベスはトラビスを愛してしまったことに気付く。この状況も感情も全てが怖い。仕事に戻ると言うベスに、トラビスは愛を告白した。一目惚れだったのだと。しかし、臆病になったベスは、彼を愛することはないと嘘をついてしまう。逃げ出したベスは、日常に戻ったが、彼を忘れることはできなかった。姉からの助言を聞き、キースに会いに行ったベスは、自分を縛りつけていた呪縛から解放された。ベスは自分の愚かさを悔やみ、トラビスの許しを乞うため、手配を済ませた。戸口に現われた冷ややかなトラビスに、ベスは本当の気持ちを打ち明けた。トラビスは、ベスを抱きしめ唇を重ね、もう一度彼女にプロポーズした。ベスは彼への信頼を示した。


無条件に信じていた相手からの裏切りに、異性と自分への信頼を失ってしまった傷ついた女が、運命の相手に出会う話。彼は用心深く彼女の心を、溶かして行く。ホットではありません。