472 偽りのダイヤモンド シャロン・ケンドリック

偽りのダイヤモンド (ハーレクイン・ロマンス)

偽りのダイヤモンド (ハーレクイン・ロマンス)

ナターシャは大学で、不実な男に誘惑されて身ごもり、シングルマザーとなった。サムを抱えて、ラファエルの家の家政婦になった後、ラファエルの親切に応えようと必死で働くが、彼に惹かれる気持ちは増して行った。ラファエルの妹が失恋の痛手から入院したことで、問題が持ち上がる。妹を悪辣な記者たちから守るため、ラファエルは弁護士から偽装婚約を装うことを提案される。だが、ラファエルの周りの女たちは、みんな本物にしたがるだろう。ラファエルは、その相手としてナターシャを選んだ。ナターシャは今までの恩に報いるため、自身の気持ちは無視して提案を受けた。疑われないよう、身支度を整えるように言われたナターシャは、一日かけて服を買い、髪を整え、化粧をした。洗練された姿のナターシャに、ラファエルは欲望を覚え、困惑する。婚約披露のために出かけたパーティで、ラファエルはついに彼女にキスしてしまう。これは正しくないこと。ナターシャは拒絶するが、女性からそんな扱いをされたことのないラファエルは、ますます彼女を欲しいと思うようになった。招待されたリゾート地で、もはや避けきれないことだと、ナターシャは覚悟を決める。二人は、素晴らしい時を過ごした。しかし、ナターシャが勘違いしてはいけないと勘繰ったラファエルは、気付かぬうちに彼女を傷つけ、ナターシャは彼から離れる決意を固める。家に帰ってから、ただの家政婦に戻ったナターシャを、抱きたいと思いながらも、ラファエルは彼女の思い通りにはならないと考える。怒りを抱えたまま、出張に出かけたラファエルは、帰宅してサムが離れた土地にある学校の奨学金を受けられることになったと聞かされた。彼女は結婚を求めて、駆け引きをしているだけだ。
しかし、ナターシャはサムと共に出て行った。空虚な家で、ラファエルは一人悶々と悩んだ。ナターシャに会いたい。ラファエルは突然ナターシャを訪ねた。戻って欲しいと言っても、ナターシャは冷ややかだった。ラファエルの言った数々の悪口雑言を許すつもりはない。ラファエルは必死だった。僕を愛していないと言えるかと聞かれて、ナターシャはできないと答えた。やがて帰ってきたサムは、歓声を上げてラファエルに飛びつき、三人は家族になった。


初めての恋に失敗して、平凡なシングルマザーになりきっていた女性が、変身し、大富豪を射止める話。