460 ハネムーンは終わらない ミランダ・リー

ハネムーンは終わらない (ハーレクイン・ロマンス)

ハネムーンは終わらない (ハーレクイン・ロマンス)

画廊に勤めていたメガンは、ジェイムズと知り合い恋に落ちた。取り立てて目立つ存在でなかった自分に、ハンサムで裕福なジェイムズが興味を持ったことを不思議に思ったことはあったが、若かったメガンは、彼の愛を疑うことなく結婚を承諾した。それに、結婚を決めた時には、メガンは既に彼の子供を身籠っていた。
幸せは突然の流産で、終わりを告げる。鎮静剤の効いた朦朧とした意識の中で、メガンはジェイムズの親友たちの内緒話を聞いてしまう。ジェイムズの最初の妻は妊娠できないことを理由に離婚になり、子供を望むジェイムズは、メガンが受胎能力があることを確かめ、自分の子供の母親として選んだというのだ。彼らはジェイムズがメガンを愛してはいないことも知っていた。メガンの世界は粉々になった。だが、内気なメガンは争いを避け、ジェイムズが彼女のために作ってくれたアトリエに閉じこもった。同じベッドで眠ることを拒む妻に、ジェイムズは苛立った。再び結婚を失敗したくない。思案したジェイムズは、二度目のハネムーンを計画する。メガンは離婚も考えてはいたが、支配的な母がいる家に戻るしかないことを思うと、気持ちは揺れた。まだ、妊娠する気持ちにはなれない。でも、ジェイムズに目覚めさせられた欲望は、彼を求めている。メガンは、ジェイムズに黙って避妊薬を飲み始めた。流産の後の心労から、メガンは体重が落ち、すっかり痩せていた。友人のニコルは、メガンを買い物に連れ出し、彼女を変身させた。しばらくぶりに見る妻は、魅力的な女性に変わっていた。ジェイムズは長い禁欲生活のせいで、痛い程彼女を求めていた。しかし、レストランでメガンに向けられたボーイの称賛の視線に、今まで誰にも感じたことのなかった嫉妬を覚えて、ジェイムズは当惑する。もう我慢も限界だ。ジェイムズは、部屋に着くのも待てずに、彼女を抱いた。恥じらうバージンを奪ってから、抑圧してきたジェイムズは、初めてメガン相手に奔放なセックスを試みる。それは、今までで一番素晴らしい営みだった。二人は熱い日々を過ごしたが、隠してあったピルをジェイムズが見つけたことから、平穏は破られた。前の妻の裏切りを忘れられずにいたジェイムズは、メガンの弁明を聞こうともせず、彼女を糾弾し、激高したメガンは子供が欲しいだけで、愛してもいない自分を利用しようとしたことを知っていると告げてしまう。それを聞いたジェイムズは、メガンが復讐しようとしていたと誤解し、出ていけと言った。
メガンは言われた通り、荷物をまとめ実家に帰った。彼を憎みたいと思ったが、どんなに理不尽で冷酷でも、彼を愛していた。メガンは、また画廊で働くつもりで、描きあげた二枚の絵を携えて友人を訪ねた。だが、彼は雇うことはできないが、二枚の絵は買い取ると言う。自分でも最高の出来だと自負していた絵が、認められて、メガンは嬉しかった。ニコルはジェイムズに会って、ジェイムズがメガンを愛していることを知った。二人は愛し合っているのに、相手の心を知らずに、別れようとしている。ジェイムズは、メガンを追い出した後で、彼女の気持ちを全く考えていなかったことに気付き、後悔していた。そして、ニコルから、メガンは復讐など考えたこともない優しい女性だと諭され、メガンが自分を愛し続けていることを聞かされる。彼女を取り戻したい。即座に決意したジェイムズは、メガンに会いに行き、愛を告白するが、メガンは躊躇った。彼に簡単に屈服する訳にはいかない。メガンはジェイムズに求愛するチャンスを与え、お互いの愛を確信したあと、夫婦の誓いの更新式を行った。そして、その時メガンは妊娠していたのだった。


仕事に成功して、家庭を欲しがった男の話。好意だけで結婚した妻を見誤っていたことに気付いて、惹かれ、恋に落ちるが、気持ちはすれ違ってしまう。簡単に手に入れたものに敬意を払わなくなるのは、よくある話ですね。