449 冬のシンデレラ ジェニファー・テイラー

冬のシンデレラ (ハーレクイン・イマージュ)

冬のシンデレラ (ハーレクイン・イマージュ)

アーロンは麻薬漬けにされて、命を落とした妹のために、彼女を利用して逃げ出したジェイソンに法の裁きを受けさせることを誓った。裁判にかけられながらも、無実となったジェイソンの恋人の身辺を探ったこともその為だった。きっと、ジェイソンは彼女の前に現れる。だが、うらぶれたカフェの中のケイトを見た時、守ってやりたいという気持ちに苛まれる。彼女はただの被害者かもしれない。でも、確信は持てない。ケイトを救いたいと思いながらも、打ち明けることはできなかった。ケイトは、この裕福で魅力的な男性が、自分に親切にしてくれる理由がわからなかった。義兄から電話があり、姉の入院を知らされた時、アーロンは即座にケイトを病院まで送り届け、ケイトを支えてくれた。その上、彼の家への滞在も勧めてくれたのだ。憐れみや施しは受けたくない。それでも、ケイトはアーロンに惹かれて行った。自分の愛を利用されて、犯罪者にされかかったことで、ケイトは臆病になっていた。それでも、アーロンを信じたいという気持ちは強く、二人は一夜を共にした。ケイトには、アーロンが何かを隠していることがわかっていた。でも、それが何かはわからない。そして、ケイトはアーロンの書斎で自分のファイルを見つける。ケイトの生まれた時から、今までの詳細が、全て書かれたファイル。ショックを受けたケイトは、そこから逃げ出そうとするが、バックを掴んで玄関を出ようとした瞬間、ドアベルが鳴った。ジェイソンだった。彼は、ケイトに義兄の家に忍び込んで、彼の隠し金を出す鍵を持ってくるよう要求する。ジェイソンのために二度と何かをするつもりはない。ケイトがそう言うと、ジェイソンは激昂し、ケイトに掴みかかった。そこにアーロンが現れ、逃げ場のなくなったジェイソンは逮捕され、ケイトはアーロンが自分に近づいた理由を知った。
義兄はケイトに仕事を与えた。いずれは、経営にも参加してもらうという義兄の言葉に、このチャンスを生活を立て直す足がかりにしようと、ケイトは懸命に仕事をこなした。だが、6週間後、アーロンがやって来る。冷静に対処しようとしたケイトだったが、激しい怒りにかられて皿をアーロンの上にぶちまけ、ケイトは仕事場から飛び出してしまう。追いかけて来たアーロンは、ケイトを愛していると言い、話を聞いて欲しいと言った。アーロンは自宅にケイトを連れて行き、全てを打ち明けた。ジェイソンが新しい被害者を作らないためには、ああするしかなかったのだと。そのために、ケイトが立ち去ることを受け入れようとしたが、できなかったと言った。自分にはケイトが必要なのだと、アーロンは言った。ケイトはほほ笑んで、自分もアーロンを愛していると答えた。


男に騙されて、何もかも失ってしまった女。被害者だったにも関わらず、世間は冷たかった。そこに、突然白馬の騎士が現れる。戸惑いながらも、信じたいという愚かな女心が自尊心との狭間で揺れ動く・・・という話。