435 甘美すぎた誘惑 ビバリー・バートン

甘美すぎた誘惑 (MIRA文庫)

甘美すぎた誘惑 (MIRA文庫)

姪が殺されたことを知らされて、一族の代表として警察に赴いたアナベルは、記者たちの攻撃から助け出してくれた男にときめいた。しかし、彼クインは、姪の恋人であり、死体の発見者であったことを知る。彼に惹かれたくない。アナベルとクインは、犯人を捕らえるために、私立探偵を雇おうとするが、奇しくも同一人物であったために、共同で依頼することとなる。クインは、友人でもあった弁護士を頼むが、ケンダルはかつて恋人であったクインに心を残しており、二人は夜を共にする。数日後、ケンダルは殺され、捜査上に、未解決の二件の殺人事件が浮かび挙がる。枕で窒息させられた被害者は、みんな右手の人差指が切り取られ、持ち去られていた。関係のあった4人の女が、殺されていたことにクインは、驚愕する。何者かが、自分を犯罪者にしようとしている。クインは、不幸な家庭に生まれ、厚生施設を経て、弁護士として成功していたが、私生活では複数の女とのあとくされのないセックスだけが信条だった。完璧なレディであるアナベルに自分は相応しくない。しかし、今まで感じたことのない飢えをクインは、感じていた。愛というものが、どんなものかも知らない。だが、彼女が欲しい。やがて、アナベルは自分の思いに屈する。アナベルのスイートで二人は甘い時間を過ごすが、クインを受け入れることは、次の標的になることだった。借りたコテージでクインが眠り込んでいる間に、クインに恋していた秘書マーシーが殺される。そして、クローゼットから五つの人差指が見つかり、クインは逮捕されてしまう。その隙をついて犯人は護衛を殺し、アナベルを連れ去った。アナベルは犯人を見て驚愕する。クインと瓜二つだった。彼は学生時代に束の間クインの相手をした女性が産んだ息子だった。幼い時から母から虐待を受け続けた彼は、精神を病み、母を殺し、クインと関係のあった女性を殺害することは、救済だと信じ込んでいた。クインは電話をして来た犯人に、アナベルを愛していると告げた。彼女を助けるためなら何でもすると。クインは、アナベルの代わりに自分を差し出した。だが、肩を撃ち抜かれたクインの後ろから飛んで来た弾丸は、犯人を仕留める。自分の過去の火遊びが事件に繋がったことに、クインはアナベルを失うことを覚悟したが、アナベルは彼に永遠の愛を誓った。


冷酷な弁護士であり、ラテンの恋人と異名を持つプレイボーイが、魂の片割れを見つけるという話。すごくホットです。