425 火遊びはお好き? ヘレン・ブルックス

火遊びはお好き? (ハーレクイン・ロマンス)

火遊びはお好き? (ハーレクイン・ロマンス)

幼い時、里親にレイプされそうになってから、ホリーは誰も信じられないことに気付く。問題児として、たらいまわしにされながら大きくなったホリーは、働きながら学位を取った。だが、働きだした会社で、ホリーは上司の息子に目をつけられ、セクハラを受けるようになる。彼の行為は次第にエスカレートしていき、激怒したホリーは彼を殴ってしまう。救ったのは、社長のジャックだった。ホリーの予想に反して、ジャックはホリーの言葉を信じ、報告書を書くよう促した。でも、上司は私のクビを切るだろう。
ジャックは、ホリーの書類を見て、彼女を本社勤務に誘った。ホリーは、ジャックの魅力におののきながらも、このチャンスに飛びついた。住まいも、仕事内容も、申し分なかった。ホリーは、ジャックと距離を置こうとするが、ジャックはホリーを手に入れようとしていた。ホリーは次第にジャックの抱擁が心地よいことに気付き、彼に惹かれて行った。だが、傷つきたくないというホリーの心は、逃避を促し、ジャックが結婚を口にした時、彼女は逃げ出した。何もかも捨てて、イギリスに逃げ帰ったホリーは、友人の家に身を寄せ、カフェで働き出す。ジャックに見つかる危険を冒したくなかった。しかし、ジャックは追いかけて来た。頑ななホリーに、ジャックは、また来ると言って立ち去ったが、それから姿を現さなかった。喪失感にかられるホリーは、気丈に立ちまわったが、ある日、ジャックの事故を知らされる。ホリーの中に、まだ恐れは残っていたが、彼を失うことは耐え難かった。訪れたホリーをジャックは抱きしめた。ジャックは、自分は絶対死なないと言った。長生きするんだと。ホリーの心の闇は消えて行った。ホリーは、ジャックに愛していると告げ、結婚を承諾した。


愛していた養父母に死なれ、誰にも信じてもらえない孤独を味わって、大人になったホリー。傷つくことを恐れるあまりに、最愛の男性に背を向けてしまう。素敵な話です。