422 庭園の誓い ジョアンナ・メイトランド

庭園の誓い (ハーレクイン文庫)

庭園の誓い (ハーレクイン文庫)

まさにシンデレラさながらの身の上のジェミーは、父親から結婚を告げられる。相手は貧相で好色な老人で、それを避けるためには、もう家出しかなかった。ジェミーは義弟の衣服を着こみ、義母から解雇された侍女スミザスの助けを借りようとするが、切符を手に入れることができず途方に暮れる。そこに声をかけてきたのがリチャードだった。リチャードは父がジェミーの父に貸した金を取り立てようと画策していた。そのため、スミザスからコールダウッド家の内情を聞き出したいと考え、スミザスに声をかけたのだった。話を聞いて、リチャードはスミザスを家に呼ぶために、彼女の弟を庭師見習いとして雇うと約束する。その提案にジェミーは飛びついた。3週間身を隠すことができれば、私は成人して独り立ちすることができる。頭の弱い13歳の少年としてジェミーはハーディング家に行った。しかし、庭師ケーレブは始めから、ジェミーを気に喰わないようだった。ジェミーはケーレブの怒りを買い、棒で打ちすえられている所をリチャードに救われる。介護のために、ジェミーの衣服を脱がせたリチャードはジェミーが大人の女性であることに気付いた。ジェミーの持ち物を調べたリチャードはコールダウッド家の娘が書いた推薦状を見つけ、ジェミーを問いただすが、ジェミーは何も答えず、リチャードはコールダウッド家に手紙を書き送る。やって来たのは義母と婚約者ラルフだった。青ざめたジェミーを見て、リチャードは咄嗟にジェミーと既に夫婦であると言ってしまう。彼女を守るためには結婚するしかない。ジェミーはそんなことはできないと言い張るが、その夜彼女を誘拐するためにケーレブが忍んで来たことで、結婚を承諾する。娘に戻ったジェミーは美しかった。リチャードは本当の結婚を望んだが、無理強いはすまいと決意していた。やがて、ジェミーはリチャードを愛していることに気付き、彼を受け入れる。だが、父親はそれを認めず、ジェミーを拉致し、結婚を無効にしようとしていた。ラルフの家に拘束されたジェミーは部屋に火を放ち、窓から逃げだしたが、追いかけて来たリチャードは炎に焼かれ怪我を負った。屋敷は焼け落ち、近くの宿屋に落ち着いた二人の元に役人がやって来た。ケーレブは落ちてきた梁に阻まれ焼死し、ラルフもまた、金庫を持ち出そうとして屋根と共に地下室に落ちて亡くなった。金庫の中には大金と証書の数々、その中に、リチャードの父がジェミーの父に貸した証書と、ジェミーの母がジェミーに残した土地の権利書があった。そこには、ジェミーが成人した時、または結婚した時にジェミーのものになると書かれていた。



愛のない結婚をした者は幸せになれないというハーディング家の呪い。最後にリチャードはハーディング家に代々伝わる婚約指輪を、愛する妻に贈ります。
馬車だの、伯爵だのが出てくる話はあまり好きではないのですが、面白かったです。