384 ボスには内緒 ジェシカ・スティール

ボスには内緒 (ハーレクイン・イマージュ)

ボスには内緒 (ハーレクイン・イマージュ)

タリンは社長への愛を自覚してはいたが、彼の家庭を壊すつもりなど全くなかった。だから、彼ら夫婦の不仲を感じても彼らの役に立ちたいと考えていた。しかし、苦悩を浮かべたブライアンが彼女にキスした時、脳裏に彼らの子供の顔が浮かび、激しいショックを受けた。即座にオフィスから飛び出たタリンはエレベーターに乗り込んだが、動揺は収まらなかった。たまたまエレベーターに同乗した男性に声をかけられた時も、適切な対応などできる訳もなかった。もう会社には戻れない。派遣会社を営む叔母は短期の仕事だと言って、家政婦の仕事を頼んできた。その老紳士はタリンを歓迎し、タリンも穏やかな時間を楽しんだ。ジェイクは彼の甥だった。タリンが取り入り騙そうとしていると疑ってジェイクが来たことに、タリンは怒りを覚える。二人はすぐに以前エレベーターで会っていることに気付いた。ジェイクはタリンの仕事が短期であることを知って、自分の秘書にならないかと打診してきた。現在の秘書の産休の間だけという仕事だったが、タリンはやり甲斐のある仕事であると引き受ける。最初から腹立たしい男だと感じてはいたが、好きになる必要はない。働くうち、尊敬できる上司であることにタリンは気付いたが、冷ややかな非難には苛立った。誤解を解く気にもなれなかったタリンは、ジェイクが考えるようにさせていたが、次第にジェイクも真実に気付いて行った。彼の執拗な問いかけに対抗できなかったタリンは全てを打ち明け、やがて彼を愛してしまったことに気付く。ブライアンに感じていたのは愛などではなかったことも。ジェイクの言った「僕は思っていたほど君を必要としていなかった」という言葉を「クビだ」と受け取ったタリンは、ブライアンの求めに応じて手助けに行った。不慣れな秘書を教育し、やるべきことを終えたタリンは、乗ったエレベーターで、またジェイクと同乗してしまう。ジェイクは激怒していた。一体私が何をしたと言うのだろう。無理やり連れて行かれた場所は彼の会社だった。ここがタリンのいるべき場所だとジェイクは言った。クビだと思ったのは誤解だったのだ。月曜から来るというタリンの返事に、ジェイクは話は終わっていないと言った。愛しているとジェイクは告げた。驚くタリンに、自分は特別な存在かと聞いたジェイクは返事を待った。タリンは茫然としながらもイエスと答えた。


一目惚れしちゃった相手を闇雲に求めつつも、プライドを守りたい男。嫉妬に悩まされ、逃げられることを恐れ、不安を感じて・・・。すごく可愛いですね。