382 愛はめぐって ベティ・ニールズ

愛はめぐって (ハーレクイン・イマージュ)

愛はめぐって (ハーレクイン・イマージュ)

看護師として働くヘンリエッタは、身よりがなかったが、思いがけずオランダで亡くなった叔母から遺産を相続することとなる。29歳のヘンリエッタは将来に不安を感じ始めていたこともあって、しばらくオランダで暮らすことを決めた。一日かかってたどり着いた叔母の家は暗闇に包まれていた。ガスも電気も来ていないようだ。蝋燭の灯りを頼りにキッチンを探索していたヘンリエッタは足音に気付き、鍵をかけ忘れたことを思い出す。現れた男にヘンリエッタは出て行くよう告げたが、彼は地主だと言った。訪れたヘンリエッタに気付いて止めた電気やガスを復旧するため来てくれたのだと言う。行為は親切だったが、口調は辛辣で礼儀のかけらもなかった。マルニクスは翌朝また現れ、ヘンリエッタの車を自分の家のガレージに入れるように言い、彼女を食料品屋に案内した。ヘンリエッタはマルニクスに嫌われていると感じていたが、時折見せる優しい態度に戸惑う。腹立たしいと思いながら、ヘンリエッタはマルニクスに惹かれていた。土地を管理するビーテルは契約書を持ってヘンリエッタを訪れ、打ち解けた二人はビーテルの悩みを話し合った。ビーテルはアンヘリーナと結婚を決めていたが、ビーテルの母親から反対されていた。ヘンリエッタはビーテルとアンヘリーナが会えるよう、自宅にアンヘリーナを住まわせることにし、対策を練ろうとする。領主のマルニクスが後押ししてくれれば、ビーテルの母親も許す気になるだろう。ヘンリエッタはマルニクスに相談に行くが、村中にビーテルがヘンリエッタを足しげく通っているという噂が立っていることを知らなかった。噂はマルニクスの元にも届き、嫉妬するマルニクスは彼女の話を聞こうともしなかった。疑われたことを知ってヘンリエッタは激怒し、立ち去ったが、翌日ビーテルはマルニクスにやっと相談をする勇気を出す。話を聞いたマルニクスは即座にアンヘリーナを呼び、ビーテルの母親への進言を約束した。ヘンリエッタは彼らの結婚が決まったことを喜んだが、マルニクスの謝罪ははねのけた。翌日もマルニクスはヘンリエッタを訪ねて来たが、ヘンリエッタはドアを開けることを拒んだ。傲慢で冷酷な男、二度と会いたくない。しかし、愛していた。
絶望を感じてヘンリエッタは部屋で茫然としていたが、物音に気付いて窓を見ると、マルニクスが塀を乗り越えて現れる。阻止することもできず、部屋に入って来たマルニクスはドアを開けてくれなければ、こうするしかなかったと言った。一目惚れだったとマルニクスは言った。抵抗したが無駄だったと。そして、愛している、結婚して欲しいと彼は言った。


わかりにくい男だ。ちょっと時代を感じさせる話ですね。