367 あの夏を忘れない

あの夏を忘れない (MIRA文庫)

あの夏を忘れない (MIRA文庫)

  • 作者: リンダハワード,アンメイジャー,ダイアナパーマー,Linda Howard,Ann Major,Diana Palmer,上木さよ子,名高くらら,立原笙子
  • 出版社/メーカー: ハーレクイン
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 文庫
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大停電に祝福を・・・リンダ・ハワード


ハンサムで裕福な男性にプロポーズされて、エリザベスは有頂天だった。彼は彼女をお姫様のように扱い、傅き、優しかった。大事にされてはいたが、やがてエリザベスは自分の生活全てが彼に支配されていることに気付く。些細な反抗がきっかけで、彼は変貌し、彼女は幽閉されてDVの標的となった。何とか逃げ出したエリザベスは女性のための施設で離婚を勝ち取ったが、もはや男性全般も自分自身の判断さえ信じられないようになっていた。
エリザベスはインテリア・デザイナーとして成功を掴み、向かいのオフィスのセキュリティ会社の社長トムと交際を始めたが、自身の話を拒むトムに不安を感じていた。エリザベスはトムと一夜を過ごした後で、彼が自分にとって危険な人間になりえない事に確信が持てず、彼から手を引く決意をする。愛してはいるが、今ならまだ傷は浅い。トムは唐突にエリザベスが会ってくれなくなったことに戸惑った。トムは出会った時、既に彼女こそ待っていた自分の女だと確信していた。為す術なく半年が過ぎたある日、猛暑で停電が起こり、居残っていたエリザベスとトムはオフィスに閉じ込められる。トムはこのチャンスに、エリザベスの胸に巣食う悩みの正体を探り出し、彼女を永遠に自分のものにするため、奮闘する。



恋と冒険とカウボーイ・・・ダイアナ・パーマー


クリスティは家庭が欲しかった。しかし、内気でおしゃれでもない彼女には子持ちの40男がいるだけだった。でも、ハリーは子供たちの母親が欲しいだけで、私を愛している訳ではない。クリスティは思い切って髪型を変え、眼鏡を外し、素敵な衣装を揃え、発掘調査の参加を申し込んだ。素晴らしい恋に出会えることを夢見ていたクリスティは宿舎とする牧場の主ネイトの冷たい態度に居たたまれない思いをするが、彼女には彼の意図がわからなかった。ネイトは自分の金に群がる女性に馴れていた。だから、クリスティが失敗をする度に、気を引こうとしていると思い、やがて、向こうがその気ならつかの間の快楽の相手になってやろうと決めたのだった。突然優しくなったネイトにクリスティは戸惑いつつも嬉しかった。だが、ネイトが思いを遂げようとした時、二人は間違いに気付く。男性を惹きつけようとして選んだ容姿が遊んでいるという印象を与えたことにクリスティは落胆し、自分の行為がクリスティを傷つけたことにネイトは罪悪感を覚えた。クリスティは悔やみ、故郷でハリーの妻となる決心を固める。その話を聞いたネイトは怒りを感じた。結婚するつもりはないが、彼女が欲しい。彼女の初めての男になりたいとネイトはクリスティに言ったが、彼女はハリーに誠意を欠くことになると言った。しかし、ネイトを愛している。胸の張り裂ける思いでクリスティは調査を終え、故郷に帰ったが、もはやハリーとの結婚は考えられなかった。数週間後、生気を失ったクリスティを憔悴したネイトが訪ね、プロポーズする。



欲しいのはあなただけ・・・アン・メイジャー


ファンシーとジムは愛し合っていたが、ファンシーはジムを捨て都会へ出て行った。ニューヨークで彼女は才能を開花させ、ファッション・デザイナーとして成功し、裕福な夫も手に入れたが、彼が捨て台詞を残して消えた時、初めてファンシーは何もかもが虚しく感じるようになる。アイデアは枯れ、問題を打破するための糸口さえ見つけられずファンシーはもがいていた。母の急死を知らせるジムの声を聞いた時、ファンシーは掛替えのないものを投げ捨ててしまった己の愚かさを理解する。ジムに会いたい。しかし、ジムはファンシーと会うことを恐れていた。自分の世界を破壊することができるただ一人の女、そして心から求める唯一の女。葬儀の席で、ジムは彼女とまともな会話をすることもできずに逃げ出したが、様々な事柄がファンシーに会いに行くことを促した。要件だけを話し、立ち去ろうとしたジムだったが、彼女を求める心が悲鳴を上げ彼は敗北を知った。初めて彼女を抱いた厩の二階で二人は激しく抱き合った。ファンシーはまた去って行くに違いない。そして自分は抜け殻になってしまうのだ。そう思ってはいても、ジムにはもうファンシーを拒むことなどできなかった。母屋でもう一度抱き合った後で、二人は食事に出かけ、ダンスを楽しんだ。ジムはファンシーに溺れ、酒を煽り酔い潰れる。翌朝目覚めた時、ジムは見知らぬホテルの部屋にいた。傍らに眠るファンシーの指には彼が夕べはめた結婚指輪が光っていた。目覚めたファンシーが見たのは後悔を滲ませ部屋を出ようとするジムの姿だった。ファンシーは部屋でジムを待ち続けたが彼は戻らなかった。ファンシーは会社を売る決心をしていた。そのために一度ニューヨークに戻らなくてはいけない。時間ぎりぎりまで待ってタクシーに乗り込んだファンシーは追いかけてくるジムに気付いたが、タクシーは止まらず事故を起こしてしまう。短気な運転手はジムを殴りつけ、殴り返したジムの拳は警官に当たり彼は逮捕されてしまった。ファンシーは逃げるつもりはないと彼に説明しようとしたが、彼は彼女の愛の言葉さえ聞こうともしなかった。彼が欲しかったのは身体だけだったのだ。それは永遠の絆とはならない。傷ついた心を抱えてファンシーは虚飾の世界へ戻った。有名人が集うパーティーにファンシーがリムジンを乗りつけた時、扉から出てきたのはジムだった。彼はファンシーと離れていられなかったと言った。私を愛しているの?とファンシーは彼に尋ね、ジムは膝まづいて彼女に愛を告白した。ファンシーはジムに抱きつき、テキサスに帰ると告げた。彼のいる所がいたい場所なのだと。


結構読み応えある感じです。ジーンと来る話?切なくなります。