364 ダンシング・ラブ リンダ・ハワード

ダンシング・ラブ (MIRA文庫)

ダンシング・ラブ (MIRA文庫)

スーザンは完璧なレディだった。義母エマジーンは息子バンスが良家の子女でないスーザンを選んだことに不満を見せたが、彼女はやがてブラックストーン一族の一員として認められた。その後、バンスが不幸な事故で亡くなり、スーザンは喪に伏す日々を送る。一族が催すパーティにコードがやって来た時、スーザンは彼を知らなかった。コードは一族に泥を塗った男として追放されていたのだ。若さゆえの過ち。コードは人の妻と恋に落ち、故郷を追われた。家から追い出され、子供から拒絶された彼女はコードと結婚するも、失意の中で亡くなった。コードは罪悪感と怒りを感じ、故郷に帰りたいと望み、一族を苦しめてやりたいと願った。コードはスーザンを一目見て、欲望を覚え彼女を誘惑する。スーザンはバンスが亡くなってから初めて自分が生きていることを自覚した。コードはバンスの弟ブレストンを脅迫する。株主であるコードの配当金を、ブレストンは勝手に流用していたのだ。返済のためにブレストンは奔走し、返済を終えると、次には会社の債権の請求が来た。スーザンは怒りを覚えた。コードも一族の一員なのに、どうして歩み寄ることができないのだろう。スーザンはコードに復讐を止めさせたかった。スーザンはコードに身も心も捧げたが、コードの真意は全くわからなかった。借金と売却で何とか返済を済ませた直後、ブレストンの元にコードからの債権の取り立てが再び送り込まれ、絶望の手紙を残してブレストンは姿を消した。ブレストンは、スーザンが矢面に立ったとなれば、コードの取り立ては終わるだろうと書いていたが、スーザンは諦めるつもりはなかった。夫がスーザンのために残した財産を彼女は売り払ったが、まだ足りなかった。後は住んでいる家と、調査中の山だけだ。スーザンは山の採掘権をコードに与える決意を固め、彼に会いに行った。スーザンが全てを売り払った事実を知って、コードは驚愕した。何もしないでただ自分を信じればいいとコードは言ったが、愛人になどなるつもりはないとスーザンは答えた。コードを愛している。しかし、会社は守らなくてはいけない。翌日、ブレストンが帰って来たことを聞いて、彼を訪ねたスーザンはコードの本意を知った。コードは彼らを脅迫して株を売却させ、それを買い取っていたのだ。会社の経営に係わることが彼の望みだった。会議の席で、コードは当然のこととして要求してきたが、エマジーンとブレストンは否認した。スーザンはコードもブレストンも自分を信じていなかったことに傷ついていたが、信念は曲げなかった。スーザンの賛成票で二分されたが、エマジーンは一族内で争うのは無意味だと、コードに歩み寄った。ブレストンはガールフレンドをコードに奪われたことで彼を恨んでいたと告白し、コードもブレストンの行為への怒りを告げた。スーザンは無力感に襲われた。二人のゲームで、一番失ったものが多いのは自分だ。立ち去ったスーザンを認めて、コードは、自分がスーザンを失いかけていることに気付いた。彼女を失うわけにはいかない。コードは無気力になってしまったスーザンを連れ去った。食べて眠るだけの日々の中で、スーザンは徐々に生気を取り戻していく。落雷で目覚めたスーザンは、コードを許すと言った。コードはスーザンに愛を誓い、涙を流した。


愛の前には、何もかも霞むってこと?私だったら、馬鹿でも何でも許せないなぁ。