362 緑匂う風 ペニー・ジョーダン

緑匂う風 (ハーレクイン・クラシックス)

緑匂う風 (ハーレクイン・クラシックス)

エルスベスは婚約こそしていなかったが、結婚することを約束した相手がいた。ピーターとは、情熱はないが、穏やかな堅実な関係を築いていると満足しているはずだった。カーターと知り合ったのはテーンエイジャーの頃で、彼のせいで自分と父の時間が減ったことを不快に思い、会う度にからかって来る彼に彼女はいつも不機嫌だった。土地を売って農場を始めた両親の事業が成功し、まとまったお金を得た両親が旅行に出ると言いだした時、エルスベスは不安に囚われた。人のいい両親をカーターが手伝うふりをして騙すつもりではないのか?エルスベスは休暇中、両親の家に滞在することを決める。しかし、両親は既に旅立った後で、家にはカーターが泊まりこんでいた。彼女が使っていた部屋はカーターに占領され、彼女は両親の部屋を使うことになったが、エルスベスは漠とした疎外感を感じた。カーターの傍にいると落ち着かない。胸が高鳴り、自分らしくないことをしてしまう。エルスベスは逃げ出したかったが、カーターの真意を知るまでは帰る訳にいかなかった。エルスベスはピーターが来ることになっている週末を待ちわびた。ピーターに二人の関係を進めたいと言うつもりでいたエルスベスは、来れないと言うピーターの電話に落胆する。何よりも自分が大事なのだとわからせて欲しい。エルスベスはピーターに懇願したが、彼の返事は変わらなかった。ピーターに別れを告げた後、エルスベスは胸の痛みを和らげようとワインの瓶を取った。カーターが帰って来た時、エルスベスはすっかり酔っぱらっていた。嵐が訪れ、カーターが温室を確かめるために出て行ったあとで、エルスベスはよろよろとベットに向かい深い眠りに落ちた。揺り起こされて朦朧としたままのエルスベスは眠っていたベットが、かつて使っていた部屋のものであることに気付く。ピーターに求められなかったことで崩れた自尊心と、カーターを求める気持ちが交錯して、エルスベスはカーターに抱いて欲しいと言った。
一夜明けた後で、エルスベスは頭痛を抱えていた。昨夜のことは考えたくない。薬を買うために町まで出たエルスベスは昔の級友に出会い、会話を楽しんだが、彼女との昔話はかつての自身の記憶を呼び覚ます結果となった。私は出会った時からカーターに惹かれ、愛していたのだ。真実に気付き茫然とするエルスベスが家に戻ると、激怒したカーターが待ち受けていた。たとえピーターの身代わりに使われたとしても、彼女を手放すことは絶対にしないとカーターは言った。出会った時、心を奪われながらも、彼女がまだ幼いことで制御していた想いを、このチャンスに賭けていたのだと。愛しているとカーターは言った。夢ではないの?と言うエルスベスに、察したカーターは甘いキスをした。


やっぱ、この作者好きじゃないわ。どうも、ヒロインが馬鹿に思えてしょうがないのは私だけ?