361 悲しい罠 スーザン・ブロックマン

悲しい罠 (MIRA文庫)

悲しい罠 (MIRA文庫)

マライアは父の遺志を継いで、会社を再興し、業績を上げたが私生活は全くなく、苛立ちを抱えていた。ストレスと別れを告げるために、マライアは社長を退き、生活を変えた。リゾート地でボランティアをしながら、セリーナと知り合い、友人となったマライアは健康を取り戻しつつあった。
ジョンは相棒の死を乗り越えられず、不眠に悩んでいたが、仕事に没頭して忘れようとしていた。ブラック・ウィドーと名付けられた女がリゾート地にいることがわかり、ジョンは彼女に近づき結婚して捕える計画を立てる。セリーナと知り合うために、マライアに近づいたジョンは、マライアに惹かれる気持ちを持て余した。セリーナと結婚する自分は、マライアと恋に落ちる訳にはいかない。セリーナは病気でやつれた大金持ちとしてのジョンに興味を持ち、次の標的に彼を選んだが、コテージに隠された盗聴器に気付いて、ジョンの正体に気付いてしまう。慌てて逃げ出したセリーナだったが、マライアが自分の写真を撮っていたことに気付いて激怒した。二人とも許す訳にはいかない。セリーナが消えたことで、職務から解放されたジョンは出会った時から望んでいた行動に出、マライアと愛し合った。写真を探すためにマライアのコテージを訪れたセリーナは、ジョンと再会し計画を変えた。ジョンはセリーナを取り逃がすことを恐れ、セリーナに言われるままラスベガスに飛び結婚する。マライアはセリーナからの連絡でジョンの裏切りを知って傷ついた。セリーナは盗聴していたジョンの相棒に薬を盛り、マライアのコテージに爆薬を仕掛けた。ジョンは晩餐の席で、セリーナから銃で撃たれ、手錠で拘束された上、モルヒネを注射されてしまう。マライアのコテージが炎上した時、ジョンは怒りと挫折を感じ、セリーナに殺されることを望んだ。しかし、マライアは生きていた。マライアは爆薬に気付き、辛くもそれから逃れ、ジョンの相棒と遭遇していた。朦朧とする相棒から銃を借りたマライアはジョンの新居へ向かったが、セリーナに気付かれてしまう。麻薬で麻痺しながら、ジョンはマライアと共に反撃に出た。相棒の通報で警察が新居に乗り込んだ時、二人は危機を脱していたが、ジョンは銃弾を受け気を失った。セリーナは逮捕され、捜索で証拠も見つかった。目覚めたジョンは付き添うマライアに愛していると告げた。


泣ける話です。惹かれる気持ちは抑えが利かず、義務と情熱に翻弄される男。距離を置こうとする癖に、欲望に満ちた眼差しを向ける男に戸惑う女。大好きなラブ・サスペンス。父親と夫に虐待された後、男を憎むようになった女は10人目の犠牲者を探していた。とても、面白かったです。