333 噂のブロンド娘 ミランダ・リー

噂のブロンド娘 (ハーレクイン・クラシックス)

噂のブロンド娘 (ハーレクイン・クラシックス)

身体だけ早熟だったセリーナは、ティーンエイジャーの頃から、男性の視線を嫌悪していた。セリーナが気を引きたいと願った男性はアーロンだけだったが、アーロンには既に恋人がいた。ナオミが妊娠し、退学して一年後に二人は結婚した。セリーナの父はセリーナを信頼できず、最終的に彼女を勘当し、キャリアを持たないセリーナは賃金の安い仕事に就くしかなかった。セリーナのセクシーな外見は、男たちにみだらな考えを起こさせ、次第にセリーナは冷たい殻を身につけていった。ポールに出会った時、セリーナは彼なら生涯のパートナーになれるかもしれないと思った。ポールに純潔を捧げたセリーナは自分の身体が全く反応しないことに気付いて、思い悩み、彼と結婚はできないと結論を出す。父が亡くなり、故郷に戻ったセリーナだったが、その半年後母も亡くなった。二人の兄から家を売りに出すように言われたセリーナは、本心ではもうしばらくこの家で暮らしたいと思っていた。放浪するのはうんざりだった。セリーナの働くバーに、アーロンがやって来た時、いまだに彼に惹かれる自分に驚く。アーロンは変わらず素敵だったが、温かな雰囲気は消え、冷たく鋭利な男に変わっていた。彼は他の男たちのように、セリーナの身体を眺め、誘惑しようとした。あこがれの男性もただの男だったとセリーナは落胆し、誘惑に乗るつもりはないと宣言する。しかし、家を見に来る予定の客がアーロンと知って、セリーナは困惑した。二人きりで会ったりしたら、身体に裏切られそうだ。家を見に来たアーロンは、お互いに感じている欲望を無視できないと言った。そして、一夜の情事を求めている訳ではないとアーロンは言った。アーロンは姉の家での食事にセリーナを誘い、身体だけが目当てではないことを示そうとする。アーロンの妻だったナオミは、わざと妊娠してアーロンを手に入れた。病的に彼を愛するあまりに、娘にさえ嫉妬し、彼に嫌われたくないという理由だけで手術を拒み亡くなっていた。そのため、アーロンは二度と結婚などしないと誓っていた。アーロンが求めているのは、気軽な関係だけで、生涯続くものではなかった。しかし、セリーナはアーロンを愛していることを自覚し、彼が求めるものを与えようと決意する。病院で避妊の処置をした翌日、セリーナはアーロンに抱かれた。アーロンと娘はセリーナの生家が気に入り、売却が確定される。セリーナはアーロンとの逢瀬を楽しんだが、規則正しい生理が来なかったことに不安を感じていた。意を決して病院で検査したセリーナは自分が妊娠していることを知って愕然となった。避妊は確実なはずだった。セリーナはアーロンに騙されたと批難されたくなかったし、彼が苦しむのも見たくなかった。家を明け渡した日、セリーナはアーロンに別れを告げた。泣きながらバイクに跨り、兄の家にたどり着いたセリーナは、兄に全てを告白した。二人の兄はセリーナのバックアップを約束し、セリーナは家と仕事を見つけた。ある日、兄から慌てふためいた声の電話が来る。アーロンに問い詰められ、セリーナの住所を知られてしまったと言うのだ。三カ月も経って、なぜ今頃訪ねて来るのかセリーナにはわからなかった。仕事に出たセリーナはいつものごとく、男性客に言い寄られていた。突然現れたアーロンは、客を追い返し彼女に話がしたいと言った。アーロンはセリーナを忘れることができなかった。彼女と二人で見た映画を娘と見た時、彼女に愛していることを知らせないまま死ぬことなどできないと悟ったと言った。セリーナのいない人生は空虚だ。結婚して、自分の子供を生んで欲しいとアーロンは言った。戸惑いながら、子供はもういると、セリーナは答えた。事情を説明しても、アーロンはたじろがなかった。それどころか、喜びを浮かべた。二人は寄り添ってバーを出た。


男性に注目される美貌って、特別必要なものじゃないのよね。ブスってからかわれるのと、好きでもない男に付きまとわれるのと、どっちが不幸なんだろう?美人な方が人生は楽しいかもしれないけど、幸せな未来を掴むのは顔じゃないんだよね。若いうちは、なかなかわからないもんなんだけどね。