328 家族のレッスン ペニー・ジョーダン

家族のレッスン (ハーレクイン・クラシックス)

家族のレッスン (ハーレクイン・クラシックス)

セアラは生来の優しさが災いして、生徒の問題を抱え込み過労と診断される。教師を続けるべきか、思い悩んだセアラは従姉の勧めを受け、夏休みを彼女の家で過ごすことを決めた。やつれ果てていたセアラも、村の穏やかな数日で少しづつ生気を取り戻しつつあった。ある日、森でうたた寝をしていたセアラは、迷子の少年と出会う。母と祖母が亡くなり、父親に引き取られたという少年は、祖母の家で手伝いをしていたおばさんの家に行こうとしていた。セアラは少年を怯えさせないように、注意深く話を聞き出し、興奮した少年は彼女にしがみついて泣きだした。探しに来た少年の父親は、息子を見つけるなり、セアラを責めたてた。ロバートはセアラから離れようとせず、同情したセアラは翌日会いに来ると約束した。翌朝、訪ねてみると、ロバートは一人きりだった。家政婦はロバートがミルクをこぼしたことに腹をたて、辞めて出て行ったらしい。6歳の子供に朝食も与えない仕打ちにセアラは憤慨した。ロバートのベッドの時間になって、やっと帰ってきたグレイは謝罪も感謝もせず、セアラを批難した。
ロバートの母親は、妻の座を得るために子供を産んだが、取り引きの材料としてしか考えていなかった。自分の母親に世話を任せ、恋人と遊び暮らしながら、ロバートに父親の悪口だけを話して聞かせた。そんな父子の溝を、セアラは何とかしてやりたいと思った。ロバートはセアラを慕い、求めていた。グレイは息子の望みならと、セアラを雇うことを決める。セアラはグレイの男性的なところが自分に及ぼす影響が怖かった。それでも、通いで世話を引き受けたセアラは、二人のかけ橋になるべく努力を続けた。セアラに予定があると言う日、グレイは中々帰って来なかった。心配していたセアラは、やっと帰ってきたグレイに怒りをぶつけてしまう。グレイはそれならもう来なくていいと吐き捨てた。その喧嘩を盗み聞いていたロバートはまた家出をしてしまう。救いを求める二人は情熱に負け、身体を重ねてしまう。セアラはグレイを愛してしまっていた。しかし、グレイはセックスを求めただけだ。やがて、廃屋で眠るロバートが見つかり、グレイはロバートのためにと言って、住みこんでくれるようセアラに頼んだ。よそよそしいグレイの言動はセアラを蝕んだ。グレイはロバートのために、仕事を調節し、家で過ごし、やがて父親として受け入れられ始める。しかし、突然、グレイは一月家を空けると告げた。セアラはロバートが父親を忘れないように、務めて彼の話題を心がけて話したが、張り裂けそうな胸の痛みを感じた。グレイはセアラを求めていた。傍にいても、離れていても地獄だった。耐えきれず、戻ってきたグレイは言うべきではないと言いながら、苦しい胸の内を告白した。セアラは喜びに震えた。二人は抱き合い、唇を重ねたが、ロバートのつぶやきに我に返る。「どうして、パパがセアラにキスしてるの?」グレイは答えた。お前のママになるからだ。


この本の表紙、他の本でも見た気がする。これ、使い回しなの?