326 瞳の魔法 シャロン・ケンドリック

瞳の魔法―復讐のメッセージ〈1〉 (ハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ)

瞳の魔法―復讐のメッセージ〈1〉 (ハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ)

ローラはスチュワーデスとしての対応に対する謝礼として、乗客から豪邸を譲り受けた。周囲の人間たちは、下劣な想像を隠そうともせず、ローラは苛立だしく思ったが、いずれ売り払うつもりでいた。母はローラの話に、動揺も見せなかったが、彼女に誘われても訪れようとはしなかった。知り合いのいないローラは、住民親睦パーティーに出かけたが、場違いな感覚を振り払えず、早く帰りたいとばかり思っていた。周囲のざわめきを感じたローラが、目を向けると一人の男性がいた。目が合った途端ローラは釘づけになり、恋に落ちてしまう。彼は危険だ、逃げなくては。無関心な態度を取ろうとしたローラだったが、ジェライントは嘲るように、低く響く声でローラを絡め取った。抗うこともできずに、家に送ってもらったローラは、彼が隣人であることを知った。翌日のフライトで、ファーストクラスに出たローラは、ジェライントに気付く。言い争う二人を不審に思ったパーサーに、ジェライントはローラをディナーに誘っていたと答えた。言いなりにはなりたくないが、彼に惹かれる気持ちに嘘はつけない。しかし、テーブルを挟んでローラは彼を信じたいと思い、遺産を譲られた顛末を話した時、ジェライントは軽蔑を露わにした。怒ったローラはジェライントにグラスの水をぶちまけ、ジェライントはレストランの真ん中でローラにキスをした。食事もせずに帰ったローラはジェライントが謝罪のためにホテルに来るのを心待ちにしたが、彼は来なかった。翌日、家に戻ったローラをジェライントが訪ね、この豪邸をどうするつもりかと聞いた。ローラは売って慈善団体に寄付するつもりだと答える。立ち去ろうとするジェライントに、ローラはこれで彼と会うこともなくなるのだと理解した。何もない人生より、一夜の思い出だけでもある方がいい。ローラは彼を呼びとめ、彼の前に身を投げ出した。二人は情熱に身を任せ、ジェライントはローラが初めてであることを知る。翌朝、ジェライントはローラに隠していた秘密を明かした。豪邸の持ち主だった男はジェライントの姉の愛人だったのだ。彼が遺産のほとんどをローラに残したことを知って、ジェライントはローラに復讐を考えたと言った。そうでなければ、こんなにゴージャスな男が自分に目を止める訳などなかったのだと、ローラは陰鬱な思いに囚われた。怒りに燃えるローラを置いてジェライントは静かに立ち去った。しかし、数日後、ジェライントが現れ、遺産をローラに残した理由がわかったと言った。彼はローラの実の父親だったのだと。ジェライントはローラの母を連れて来ていた。母はローラに17歳で出会った裕福な男性との恋を話した。そして、逃げずに問題を解決しろと言った。居間で二人きりになると、ジェライントはローラに許して欲しいと言った。勝手に疑って報復を考えていたのに、彼女を見た途端に、彼女を手に入れることしか考えられなくなったのだと。愛しているとジェライントは言った。結婚して、子供を産んで欲しいと。ローラは拒むことなど考えられなかった。


遺産が転がり込む夢って誰でも見るよねぇ。羨ましい・・・。