325 あなただけを愛してた ペニー・ジョーダン

あなただけを愛してた (ハーレクイン・クラシックス)

あなただけを愛してた (ハーレクイン・クラシックス)

優等生だったタラは、三歳年下のスーザンの寂しさを感じ取り、彼女を気に掛けるようになる。スーザンに懇願されて、彼女の家に泊まったタラは、スーザンの義父ジェームスに出会い、恋に落ちてしまう。惹かれあう二人は未来がないことは知りつつ、一線を越えてしまう。そして、直後ジェームスは旅立ち、タラは妊娠を知る。意を決してタラはジェームスに相談に行くが、そこにはスーザンの母ヒラリーしかいなかった。ヒラリーはタラを嘲笑い、タラは彼の数多い浮気相手の一人にすぎず、差し出されたものを奪った今は、何の興味もないのだと告げた。愛されていた訳ではなかったのだ。打ちのめされたタラは、一人で産み育てる決心をする。言い寄る男たちへの防波堤として、結婚後すぐに夫が他界した話を彼女は作り上げた。タラは、チャドのアシスタントとして働きながら、双子を育てていたが、チャドはタラへの欲望を隠そうともしなかった。チャドの誘惑に乗りたくはないが、仕事は失うわけにはいかない。ある日、保育園でスーザンに再会したタラは、チャドの誘惑を避けるためにスーザンの招待に応じようと決めた。しかし、タラたちを迎えにきたのは、ジェームスだった。双子はジェームスを気に入ったが、ジェームスはタラを軽蔑し、辛辣な言葉で傷つけた。私を弄んだ人にどうしてこんな態度をされなくてはいけないの?ジェームスは執拗にタラを責めたてた。疲れ果てたタラは子供に当たってしまい、双子は家出しジェームスに会いに行ってしまう。タラはついに抗っていた思いに屈し、ずっと彼を愛していたことを自分に認めた。チャドは恋人ができて、今までの待遇を恥じ、タラの働きに対してボーナスを出した。子供たちとのんびり過ごそうとタラは決め、浜辺のコテージを予約した。ピクニックや水泳を母子は楽しみ、隣家の家族と親しくなった。彼らは家族で行くサファリパークに双子も連れて行き、その間タラに寛ぐよう言った。寛大な申し出を受け、タラは裏庭で怠惰に過ごした。うたた寝をしていたタラは、足音に気付き、ジェームスを見つけた。ジェームスは双子からはがきをもらったと言った。タラは、ジェームスが真実を知ったことを知る。ジェームスはタラを愛していたと言った。そして、彼女が若すぎたゆえに、彼女に時間を与えるため姿を消したのだ。帰ってきた時、タラの結婚を聞かされて、地獄の苦しみを味わったと彼は言った。ジェームスはタラが双子の父親をいまだに愛していると話したことを、自分のことか、それとも死んだ夫のことかと聞いた。タラはまた傷つけられるのが怖かったが、夫も恋人もいなかったと答えた。ジェームスはタラをずっと愛し続けていたことを明かし、二人は抱き合った。


復讐のために、結婚を強要され、応じた後で真実の愛を見つけた彼は戸惑い苦しむ。囚われたままの彼は、やがて、永遠の愛を誓ったはずの女性が知らぬ間に他の男のものになり、子供を産んだことを知らされて、彼女に憎しみさえ感じるようになった。名ばかりの妻が恋人を作り、彼を自由にした後も、彼の心は血を流し続けていた。胸が痛くなる物語です。