324 あなただけ知らない エリカ・スピンドラー

あなただけ知らない (MIRA文庫)

あなただけ知らない (MIRA文庫)

10年の刑事生活に嫌気がさしたステイシーは、出直すために大学院に通い始めた。やっと友人もできた頃、隣人が殺される。第一発見者はステイシーだった。友人でもあった二人の女学生が亡くなったことに、ステイシーは怒りと悲しみを感じた。自分はもう刑事ではない。しかし、傍観者ではいられない。RPGにのめり込むキャシーは、最後にステイシーに会った時、「ホワイトラビット」というゲームの伝説的な人物に会わせてもらえることを喜んでいた。キャシーをストーカーしていた男子学生ボビーから、レオの名前を聞き出したステイシーは、身分を偽り、レオから情報を引き出そうとした。数日後、本物の刑事からステイシーが元刑事だと知ったレオは、ステイシーに相談を持ちかけた。レオの元には、3通の不気味な脅迫状が届いていた。ステイシーはレオの家に入り込み、捜査を開始する。そして、また殺人事件が起きた。ネズミは涙の池で溺れたと脅迫状にあった通りの死に方で。脅迫状のイラストから一人の男が浮かび上がるが、逃走され、彼の家から「不思議の国のアリス」の登場人物のさまざまな死にざまを書いたイラストが見つかった。直後、ステイシーの家の浴室に猫の首が吊るされ、首を切られたチェシャ猫のイラストが書かれたカードが見つかる。カードには、「ゲームへようこそ」と書いてあった。ステイシーは犯人の思考を探るため、「ホワイトラビット」を実際にやってみようと思いつく。そのゲームの最中に、家政婦がレオのオフィスで何かを見つける。引き裂かれた二枚のトランプを血で描かれたハートが囲み、薔薇は赤に変わったと書かれていた。数日後、首を切られたイラストレーターが打ち上げられ、別の場所では二人のインテリアデザイナーが浴槽で束にされたまま殺されていた。栓をした浴槽には血が溜まり、薔薇は赤に変わったと書かれたカードも見つかる。ステイシーは、レオの共同製作者だったディックを調べようと思いつく。ディックは自殺したとされていたが、決めてとなった歯型を確認した歯科医が殺されていることを知り、彼は生きていると確信する。ディックの本名を聞いたステイシーは、レオの娘アリスの家庭教師がディックだと気付いた。レオの元妻ケイは部屋に争った跡と血痕を残して、姿を消し、レオは射殺された。傍にはハートのキングのトランプが残されていた。
アリスに届いたメールには、「鼠の5と7が排除された。クィーンは力を奪われた。チェシャ猫は行動している。さあ、どうする?」と書かれていた。ディックは正体がばれたことに気付き、姿を消すが、深夜ステイシーの枕元に現れた。殺されることを覚悟したステイシーだったが、レオが殺されたことを聞いたディックは犯人は自分じゃないと言って自殺した。そして、アリスがいなくなった。


いやーぁ、こういう作品好きですねぇ。疑わしい人物が次々と殺されていく。犯人の真意はどこにある?まぁ、ミステリーにありがちな、一番疑わしくない人物が犯人て点は変わらないけど、面白かったです。HQには珍しくセックスシーンが全くないのには笑っちゃったけど。アリス・イン・ナイトメア的なゲームが現実に行われてしまうという話。一気に読めます。