296 カリブの一夜 リンダ・コンラッド

カリブの一夜 (シリエット・ディザイア)

カリブの一夜 (シリエット・ディザイア)

ニコラスは仕事に有益だという理由だけで、幼馴染と結婚したが、次第に友情さえなくなりヨットの事故で彼女は亡くなる。彼女が欲しがった子供も授けることができず、無理強いしたヨットで死なせたことで、後悔にかられたニコラスは妻がやろうとしていた事業を成功させることだけに心血を注いだ。妻を失くした事故で、足を怪我したニコラスは、リハビリのために雇ったアニーに欲望を刺激され罪悪感を感じていた。
島にハリケーンが近づき、多くの住人が避難する中で、島に残ったニコラスとアニーは二人きりでいることに神経質になっていた。アニーはニコラスに一目惚れをしていたが、気付かれまいと努力していた。嵐で倒れた木がアニーの部屋の屋根を破り、足を怪我したことでニコラスの自制心は崩れる。嵐の間だけ。二人は抱き合い、至福の時を過ごした。
子供は作れないというニコラスの言葉を信じていたアニーは妊娠していることに驚き、途方にくれる。問い詰めるニコラスに真実を告げたアニーは、話をニコラスの母親に聞かれ戸惑ったが、エリザベスはアニーの不安を受け止めた。ニコラスは子供のために結婚すべきだと言った。はじめは拒絶したアニーだったが、自分の親の批難を受けることを考えて、承諾する。ニコラスは義務から結婚すると言われたことに、不満を感じたが、アニーを手に入れられるという喜びの方が大きかった。何の相談もなく、全てを決めるニコラスの傲慢さを気付かせ、彼を目覚めさせようとアニーは決心し、お互いを知り合う努力をしようと彼に提案する。しかし、島の復旧で忙しいニコラスは、アニーと過ごす暇は全くなかった。結婚後、しばらくしてやっと母親に結婚の報告をしたアニーは、予想していた通りの反応に疲労を感じ、妊娠の報告はできなかった。アニーは、ニコラスに抱いて欲しかった。愛してくれなくてもいい。自分が二人分愛しているのだから。ニコラスもまた、アニーのいない生活など考えられないと気付いていた。遅ればせながら、ニコラスはアニーを愛していることに気付き、彼女にそれを告げたいと思っていた。アニーの母親から電話をもらったニコラスは彼女の両親を呼び寄せた。アニーは両親の姿に驚き、母親がアニーの判断を喜んでいることに驚愕する。しかし、ニコラスがアニーに何の相談もなくアニーの親族を呼んで結婚式を約束したことを知って、アニーは落胆した。自分に彼を変える力はない。この結婚は失敗だと気付いたアニーはニコラスに別れを告げ家を出て行った。ニコラスには一体何が悪かったのかわからなかった。ニコラスの母は、今のニコラスは父親にそっくりだと言った。支配的で傲慢で、誰を傷つけても気にもしない冷たい人間だと。ニコラスはやっと目覚めた。
ニコラスはアニーの前に膝まづき、彼女を愛していると告げた。どこにも行かないでくれと。


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