295 魔法の瞬間 キャシー・ウィリアムズ

シンデレラに憧れて―魔法の瞬間 (ハーレクイン・リクエスト)

シンデレラに憧れて―魔法の瞬間 (ハーレクイン・リクエスト)

土砂降りの雨の中、空港に向かって歩いていたリサは車にはねられ、足を骨折してしまう。せっかく当たった海外旅行が駄目になり、リサはがっかりしたが、視界が悪く、自分は横断歩道を歩かなかったのだから誰も責められない。弁償をしたいという言葉を拒絶されて、アンガスは驚く。帰り際、アンガスはリサに名刺を渡したが、リサは連絡する気は全くなかった。素敵な人だけど、住む世界が違う。やがて、リサは退院し、二か月後仕事に復帰した。リサは自分だけの秘密として、誰にもアンガスの話をしなかったが、三カ月後彼から招待状が届く。友人と出かけるクルーズに一緒に行こうというものだった。はじめは行く気が全くなかったリサだったが、次第に心が動き出し、招待を受けようと決心する。しかし、決心はしたものの、リサは恐れや後悔に苛まれていた。臆病なリサの心を見透かすように、アンガスはただ楽しめばいいんだと言った。浜辺でアンガスに抱き寄せられ、自制心を失くしたリサは初めて感じる自身の欲望に陶然となった。しかし、足を開かされた時、突然リサは目が覚め抗った。こんな情事は望んでない。二人は何もなかったかのようにふるまい、忘れようとする。アンガスはリサを理解したいと言い、彼女を質問責めにしたが、彼女はかわしていた。最後の夜、眠れずにいたリサをアンガスは欲しいと言った。もはや、リサには拒むことなどできなかった。リサはアンガスを愛してしまったことに気付いた。しかし、アンガスがリサに求めているのはセックスだけなのだ。帰ってからも付き合いたいとアンガスは言ったが、リサは彼の電話を待ち続ける生活はしたくなかった。これで終わりにすると言うと、アンガスは同棲を持ちかけてきた。愛人だって、いつか別れが来るのよ。いつか来る別れなら、今きっぱりと別れたほうがいい。
しかし、リサは妊娠していた。ボスは仕事を保障してくれ、友人たちも支えてくれたが、リサは不安と疲労に押しつぶされそうだった。出かけたフラワーショーで、アンガスの従妹に会ってしまったリサは、彼女が自分の妊娠に気付いたことを知って不安に駆られた。キャロラインは、アンガスに迫り拒絶された復讐ができると言った。しばらくして現れたアンガスはリサに金額を言えと攻め立て、怒ったリサは彼を追い返す。しかし、数日後また現れたアンガスは謝罪し、結婚すべきだと言った。リサは子供のために結婚するなんて間違っていると断った。結婚は愛に基づいたものであるべきだ。アンガスを愛している。でも、愛されずに一緒にいるのはひどく辛いだろう。リサは考える時間が欲しかった。ボスに電話をかけ、コテージを貸してもらう約束を取り付け、リサは雪の中コテージに向かった。一人で過ごす静かな夜。しかし、深夜目覚めたリサは陣痛に気付いた。予定日はまだ先なのに、どうして?リサは電話が不通なのに気付き、急いで車に乗り込んだ。だが、陣痛はますます耐えがたくなる。車の中でリサはうずくまった。突然、ライトが見え、ドアが開けられリサは抱きあげられた。アンガスだった。アンガスは車から電話をかけ救急車を呼んだが、リサには待てなかった。車の中で、リサは子供を産んだ。病院で落ち着いてから、リサはアンガスに結婚に同意すると告げたが、惨めな気持ちだった。アンガスは君はおバカさんだと言って、愛していると言った。だから、リサがアンガスを愛するのでなければ、結婚しないと。リサの目から涙があふれた。


理解しにくい女性に惹かれていく大富豪の話。