283 砂の魔法 メレディス・ウェーバー

砂の魔法 (ハーレクイン・イマージュ)

砂の魔法 (ハーレクイン・イマージュ)

シークは4番目の妻がやっと後継ぎとなる男子の双子を産むと、お気に入りの3番目の妻の元で暮らし始めた。生まれた双子は幼少期を乳母たちに囲まれて育ち、その後暗殺を恐れるシークの計らいでイギリスの寄宿舎学校に送られた。双子には友人もできたが、信頼するのはお互いだけだった。一族の会社に入ることを拒んだ二人は医療に進み、医師となった。シークが病で亡くなり、二人は伯父の誰かが王位を継ぐことを望んだが、国が腐敗していることを知らされて、考えを変えざる得なくなった。弟のアーロンは都市部の捜査を始め、兄のカムは国境付近の非難キャンプに向かった。そこには世界援助機構の女医が一人いるはずだった。
ジェンは医師の両親の間に生まれ、自身も医師になった。一目で恋に落ち結婚したが、事故に巻き込まれ夫とおなかの子供を失い、失意の中で放浪の生活に救いを求めた。出会った途端に、ジェンとカムは惹かれ合った。隣の部族長の妻のお産に呼ばれたジェンは、非難キャンプにいる夫婦の息子と引き換えに帝王切開を施すが、部族長は妻が危機を脱するまでジェンを帰さないと言い張った。寝静まるのを待って、カムはジェンと返された男児を連れてキャンプに戻った。翌日の夜、約束通りジェンとカムは国境を越えて、容態を診に行ったが、砂嵐に見舞われ帰れなくなった。あてがわれた洞穴式住居で二人は抱き合った。二日目の夜、ジェンはカムについて何も知らないことに気付く。カムは素情を隠していたことを後悔していた。カムが新しいシークになる人間だと知って、ジェンは落胆と後悔を感じたが、カムは結婚して欲しいと言った。シークには後継ぎとなる男児を産んでくれる妻が必要だ。ジェンにはもう子供を産むことができなかった。拒絶されて、カムは難民キャンプに必要な井戸や医療施設を用意するため、去って行った。一週間後、キャンプに大型車がやって来た。車を降りジェンに歩み寄った男性はそっくりだったがカムではなかった。言い当てられてアーロンは驚き、ジェンとカムが愛し合っていることを知った。子供を産めないと言うジェンに、アーロンは臆病者だと言った。病人を見舞ったあと、迎えにきた彼に触れられた途端、ジェンはそれがカムであると気付いた。カムは結婚できない理由は自分を愛していないという理由しかあり得ないと言った。愛していないと言ってみろと言われ、ジェンは愛しているが、それは間違っていると答えた。カムは子供を作るために結婚はしないと言い、これは正しいことなのだと、愛とお互いのことだけ考えようと言った。


ホットじゃないです。夢物語ですね、これも。