247 奪われた贈り物 ミシェル・リード

奪われた贈り物 (ハーレクイン・ロマンス)

奪われた贈り物 (ハーレクイン・ロマンス)

ジョアンナとサンドロはお互い一目惚れで恋に落ちた。プロポーズするサンドロにジョアンナは自分が処女であることを打ち明け、歓喜したサンドロはジョアンナに完璧な初夜を約束した。しかし、式を一週間前に迎えた夜、仕事帰りにジョアンナは暴漢に襲われる。乗り込んだエレベーターの中でジョアンナは二人の男に処女を奪われた。ショックのあまり茫然とするジョアンナは、周りに気付かれることなく一週間を過ごし、結婚式を迎えたが、その夜、サンドロと二人きりになって愕然となった。サンドロは自分を処女だと信じている。汚されてしまったことを知られたくない。ジョアンナは病的とも言えるほどにサンドロを拒絶してしまった。理由を知らないサンドロは苛立ち、それでも何とか解決しようとするが、二人の溝は深まって行き、ジョアンナは家を出た。妹モリーと同居を始めたジョアンナは悪夢にうなされ、モリーに秘密を打ち明けざる得なかった。しかし、そのモリーが事故で亡くなった後、ジョアンナは打ちのめされてしまう。葬儀費用の借金が次第に膨れ上がり、返済の代償に身体を求められたジョアンナは他に手だてがなく、サンドロに電話した。サンドロはジョアンナの説明を聞くと、自身で返済に行き、ジョアンナのフラットを引き払い、彼女の荷物を運んできた。激怒するジョアンナに、サンドロは結婚生活をやり直すと言い、翌日、彼女を連れてイタリアに立った。部屋の前で蒼白になったジョアンナに、サンドロは襲われたことは知っていると言った。愕然となったジョアンナは気を失った。目覚めた時、ジョアンナは全てをなかったことにしたかったが、サンドロが許さなかった。ジョアンナは全てを話し、完全にサンドロを失ったと覚悟した。しかし、翌日、サンドロは素晴らしいヴィラにジョアンナを案内し、二人でそこで新生活を始めると言った。ジョアンナのために、サンドロがしてくれることにジョアンナは罪悪感を覚え、自分は彼に相応しくないと痛切に感じる。その日、サンドロの母が訪れ、母親のいないジョアンナの相談相手になると言われ、サンドロが母に秘密を打ち明けていたことを知った。激情に駆られたジョアンナは、何も持たない自分のただ一つの贈り物だった純潔を奪われてしまった自分には、サンドロに差し出すものは何もないと叫んだ。こんな自分を彼にはあげられないと。部屋を抜け、家を飛び出したジョアンナをサンドロは追って来た。連れ戻されたジョアンナは、サンドロから最後通牒を突きつけられる。ジョアンナは、自分が本当に恐れていたものに気付いた。サンドロを失うわけにはいかない。ジョアンナは、サンドロの寝室に行き、ローブを脱いだ。過去の亡霊に襲われないよう性急に進めようとするジョアンナをサンドロは諌め、ゆっくり愛を交わした。サンドロがジョアンナを満たした時、ジョアンナは人生最大の障壁を乗り越えた。二人はお互いに満足し、辛かった3年間を忘れた。


大富豪としがないウェイトレスの恋。母親と妹の面倒を見ながら育ったジョアンナには、頼ったり、相談したりすることができなかった。一人で全てを抱え込み、一番大事なものを壊してしまう。結構感動的ですが、あんまりホットではないです。