245 夜明けのフーガ リンダ・ハワード

夜明けのフーガ (MIRA文庫)

夜明けのフーガ (MIRA文庫)

父親も知らず、売春婦の娘として生まれたディオンヌは母親に疎んじられ、捨てられた。施設で育ち、18歳で結婚したが、初夜に夫にレイプされ、それから3カ月の間DVを受け、診察を受けた病院で看護婦からの助言を貰って、離婚した。他人に触れられることに恐怖を感じたが、必死の努力でセラピストとして活躍する身分を手に入れた。
休暇を過ごすビーチに一人の男が、仕事を携えて訪ねてくる。彼の義兄が登山中の事故で、歩けなくなり、自暴自棄になって、生きる希望を失くしているというのだった。写真を見たディオンヌは、挑戦してみようと思った。
ブレイクは、やせ細り、気力も失くしていた。ディオンヌは、ブレイクを怒らせることに成功し、訓練を承諾させた。早朝に起こし、マッサージを施し、食事をさせて、ブレイクは少しづつ以前の体力を取り戻しつつあった。初めて立った時、痛みを訴えるブレイクに、ディオンヌは神経系統が正しく働いている証拠だと、嬉しさのあまり抱きついた。ブレイクはディオンヌにキスしたが、繰り返すうちに次第に情熱的になったキスにディオンヌは恐怖を感じ、ブレイクを突き飛ばしてしまう。ブレイクは、ディオンヌが心に傷を負っていることに気付き、ディオンヌを問い詰めた。ブレイクは、ディオンヌに性的に不能かもしれないと悩みを打ち明け、ディオンヌはセラピーを行うために、ブレイクを誘惑しようと決心した。ディオンヌはブレイクに触れられても、大丈夫なことに気付き、過去の痛みを乗り越えたことを知った。二人は愛し合い、ディオンヌは出て行く潮時だと決意する。しかし、ブレイクはディオンヌを愛していると言い、プロポーズした。ディオンヌは誰からも愛されることを拒絶する生活をしていた為に、ブレイクを信じられなかった。一度は結婚すると言ったものの、ディオンヌはブレイクの元を去り、次の仕事に向かった。きっと、自分の事など、そのうち忘れてしまう。そう思っていたディオンヌの気持ちは裏切られた。ブレイクはディオンヌに度々電話をよこした。患者の母親に諭されて、ディオンヌは目が覚める。治療が終了する日、ブレイクは約束通りディオンヌを迎えにやってきた。二人は固く抱き合いキスをした。


素敵!ぼちぼちホット。一気に読めました。やっぱ、リンダは最高です。