216 恋はないしょで キャロリン・ゼイン

恋はないしょで―ブルーベイカーの花嫁 (シルエット・ロマンス)

恋はないしょで―ブルーベイカーの花嫁 (シルエット・ロマンス)

父が亡くなって、牧場が危機に陥っていることに気付いたシドニーは、負債を減らすためにサークルBO牧場の面接に向かった。しかし、経験も資格も十分であるにも関わらず、女性であるという理由で落とされ、シドニーは憤慨する。意を決したシドニーは、髪を切り、カウボーイ姿で18の少年シドとして再度面接に出かけ、採用されてしまう。最初の面接でシドニーに会っていたモンタナは、伯父が採用したシドがシドニーであることに即座に気付いた。モンタナは弟のテックスに、シドが女性であることを話し、シドニーの目的が分かり次第クビにすると言った。
シドニーが期待をかけていた馬房を貸し出すアイデアを断られたと、隣人が電話をよこし、シドニーがお金に困っていることを知ったモンタナは、シドニーをクビにしようと決心したが、シドニーから詳しい話を聞いて、決意が揺らいだ。結局、モンタナは、シドニーが男としてばれないようにすることを条件に、仕事を続けさせることにする。しかし、モンタナは、初めて会った時からシドニーに惹かれていた。シドニーの仕事ぶりは称賛に値するものだった。秘密を共有する二人は、次第に親密になっていく。干ばつの危険から、牛を避難させるために端の牧草地に向かったモンタナ、シドニー、テックスの三人は、牛を集め三方に散らばった。シドニーは微かなにおいに気付いて丘から見ると火事が迫っていることを知る。モンタナと二人で牛を避難させ、テックスを探すが、岩場で怪我を負ったテックスを見つけ、シドニーは救援を呼ぶためオフィスに駆け戻った。モンタナは、救援を引き連れ戻って来たシドニーを抱きしめキスをした。牧童たちは、初めてシドニーが女性であることに気付いたが、伯父は最初から知っていたようだった。訝しげなシドニーに伯父は、髪を切ってまで望むのなら雇う価値はあると言った。女性であることを知られてしまっては、残るわけにはいかないと荷造りするシドニーに、モンタナはプロポーズした。


婚約者を、同じバンガローを使っていた牧童に奪われたモンタナは、女性を信じることができなかった。シドニーに惹かれてはいても、また欺かれるのではないかと疑う気持ちと、彼女はそんな女性ではないと思う気持ちとの狭間で揺れる。何にもホットじゃないけど、ほのぼのとした話ですね。