213 炎の壁の彼方から ノーラ・ロバーツ

炎の壁の彼方から(上) (扶桑社ロマンス ロ 6-62)

炎の壁の彼方から(上) (扶桑社ロマンス ロ 6-62)

11歳の夏、末娘リーナが乱暴されたことに腹を立てたギブソンは、近所に住むジョーイの家に押しかけ、ジョーイの父親ジョーと喧嘩になった。その夜、ギブソンの経営するレストランが火事になり、リーナの証言から、ジョーは逮捕された。その直後、ジョーイは自分の飼い犬を殺し、火をつけて少年院に送られた。リーナは炎に魅せられ、消防関係の仕事に就くため、猛勉強を始める。
大学で、リーナはジョシュと知り合い、付き合い始めた。しかし、リーナと情熱的なひと時を過ごしたその夜、ジョシュの部屋は火事に見舞われ、彼は亡くなった。タバコの火の不始末と片づけられ、リーナは腑に落ちないながら、どうすることもできなかった。
数年後、消防士のヒューに惹かれるものを感じて、休暇を一緒に過ごすことを決めたリーナは、一足先に現地に向かったヒューが、何者かに撃たれ亡くなったことを知る。ヒューは顔を撃たれ、車に火をつけられていたが、犯人は捕まらなかった。
リーナは、経験を積み、放火捜査官となった。ルークとは軽い付き合いのつもりだったが、彼にプロポーズされて、リーナは、慌てた。結婚はできないと言うと、ルークは激怒し、リーナに手を挙げた。リーナは反撃して、彼女の部屋からルークを追いだしたが、その夜、ルークの車が放火され、リーナが疑われるはめに陥る。しかし、ルークに殴られたショックで、友人に電話し、友人がリーナの部屋に泊まっていたことで、アリバイが証明された。
31歳になって、リーナは、家を買った。その家の隣にボーが住んでいた。
ボーは、13年前大学のパーティーで見かけた娘に一目惚れをした。4年後、モールで見かけて追いかけたが、また見失った。数年後、公道で隣を走る車の中に彼女を見たが、捕まえることはできなかった。その、ボーの女神が、彼の隣の家に越して来たのだった。リーナは、ボーの話に戸惑ったが、惹かれるものも感じていた。その直後、リーナの元に不気味な電話がかかるようになる。電話の主は、電話で放火をリーナに知らせた。ボーのトラックが燃やされ、また電話を取ったリーナは、犯人がジョーイであることに気付き、ジョシュやヒューを彼が殺したことを知った。ジョーイは、父親を逮捕した警官の妻を凌辱して、火をつけ殺害した後、捜査官の部屋を燃やし、リーナの弟の診療所にも火を付けた。かつて、ジョーイ一家が暮らしていた家に住む年若い夫婦を撃ち殺し、火をつけた。駆けつけたリーナのパートナーは消化器の爆発で命を落とした。打ちのめされたリーナは、自宅でジョーイの待ち伏せを受けた。ジョーイは、父親の目の前でリーナをレイプしてやると、リーナを銃で脅して、電話させようとした。リーナは、ジョーイの隙をついて反撃に出た。ボーが部屋に駆け込んだ時、ジョーイは、導火線に火を付け、炎に包まれていった。ジョーイは、逮捕されるより、燃えることを選んだのだった。


いやぁ、素晴らしい!20年に渡る復讐劇と、13年の真摯な純愛。過激な部分もありますが、とても面白かったです。ドラマ化されたというのも頷けますね。ライフタイム・テレビでDVD化されてるみたいですけど、日本ではまだ見ることはできないようです。うーん、だけど、60代の刑事の元妻を、30代の犯人がレイプって、日本だと喜劇になっちゃいそう・・・?