２０７ 宿命の指輪 パトリシア・セアー

天使と恋と億万長者―宿命の指輪 (シルエット・スペシャル・エディション)

第二次大戦下のイタリア。
負傷したアメリカ兵を助け、恋に落ちたビットリアは迎えに来るという言葉を信じ、待ち続けたがビットリアの両親は裕福な家に嫁がせようと、婚約を決めた。ビットリアの家に伝わる家宝の指輪を婚姻の約束としてバレンテ家に贈った後、エンリコが現れ、ビットリアはジョバンニとは結婚できないと告げに行く。しかし、ジョバンニは家宝の対の指輪のうち、花嫁の指輪は盗まれた花嫁の印だと、自分の小指にはめ、新郎の指輪だけを返した。ジョバンニの母は「コペリ家の愛に至る道は険しい」とその花嫁の指輪に呪いをかけた。

ビットリアの三人の孫の一人、リックはテキサスの石油事業で当てて億万長者になった。しかし、父を失望させたまま亡くしたことに後悔していた。
父は建物の崩落で命を落とし、兄レイフが継いだ建設会社も倒産寸前だった。リックは会社建て直しに力を貸すため、故郷に帰ることを決めたのだった。父の汚名を晴らすため、探偵に探らせていたが、不良資材を持ちこみ、不正を働いた男を追いつめることに成功する。リックは母のレストランで働くジルに惹かれ、テキサスに帰るのを止め、インディアナに留まることを決めた。

愛に憧れて―宿命の指輪 (シルエット・ロマンス)

レイフは家の修理を依頼されて、その家を見に行くが、その家の主人となったシェルビーと恋に落ちる。

許されない愛 (シルエット・ロマンス)

末の妹アンジェリナはホテルの改装工事を獲得するため、ホテルを買収したジョンに会いに行くが、彼はジョバンニの孫だった。ジョンはアンジェリナに惹かれ、指輪の呪いを打ち砕くため、ジョバンニの持っていた花嫁の指輪をアンジェリナに贈り、結婚を誓った。

実は、呪いをかけた方がかけられていたって話。ジョバンニは恨みを忘れられずに、愛してくれた妻に捨てられ、孤独な人生を送り、ジョンの両親も幸せにはなれなかった。コペリ家はビットリアを中心に温かい家族がいたのだ。結構いい話です。ホットじゃないです。