194 好きだから言えない ジーン・ブレイシャー

好きだから言えない (シルエット・スペシャル・エディション (N831))

好きだから言えない (シルエット・スペシャル・エディション (N831))

ローズは不幸な再婚をし、夫からの暴力に耐えていたが、抵抗の為に夫を死に至らしめてしまった。母の罪をかぶって、ダルトンは故郷を去り、ダルトンの恋人ジェニーは、ダルトンの親友のサムと結婚した。二人の間には、ミッチとブーンという息子が生まれたが、ある日ミッチの運転する車から降りたジェニーがトラックに轢かれるという事故が起きる。愛する妻を失くしたサムはジェニーを殺したとミッチを責め、ミッチは家を出て行ってしまう。自暴自棄になったサムは、彼に代わって牧場を切り盛りするブーンにも冷たかった。4年後、ブーンも家を出て行った。数年後、病気になったサムを助けるためブーンは妻を伴って帰って来たが、都会人の妻は牧場に馴染めず、愛人とおなかの子供と共にヨット事故で帰らぬ人となった。頑なな老人に愛想を尽かし、再びブーンは出て行った。サムは親友から恋人と彼が育った家を奪った罪悪感から、ダルトンの娘に家を譲ると遺言を残し他界した。
マディは一流シェフだったが、パートナーが自分の腕だけしか評価していないことに失望し、レストランの権利をパートナーに売り、これからの処世を考える必要を感じていた。見知らぬ男からの遺産はマディにとって、完璧な猶予を与えてくれた。30日間、その家で過ごし、その後はサムの息子に譲ればいい。その間に、知ることもなかった祖母やルーツに触れることができると。
ブーンはとマディは出会った時から惹かれるものを感じていた。
マディは父と各地を転々と暮らしたことで、自分の居場所を求めていた。
ブーンは都会的なマディが田舎に馴染めるとは思っていなかった。
家の屋根裏で祖母の日記を見つけたマディは、益々家に対する愛着が募り、ここから立ち去りたくないと思い始める。
マディを欲しがっていた有名レストランから、懇願に近い誘いを受けてもマディは迷っていたが、小耳にはさんだブーンは行くべきだと言った。夢を掴むチャンスを逃すべきではないと。
しかし、マディの目に浮かぶ涙を見た時、ブーンは思わず「行くな!」と言ってしまう。自分と一緒に居て欲しい、結婚してくれるなら何でもするとブーンは抑えきれず口走っていた。マディは微笑んで「YES」と言った。


約束の30日後、ブーンは父からの手紙を渡された。そこには、ブーンが間違った相手を選んでしまったことと、マディがブーンに愛を与えてくれるという希望が書かれていた。そして、自分が素晴らしい息子二人を失ってしまった失敗にも触れていた。


いい話です。涙は出なかったけど、ジーンとしました。ホットなトコもありますしね。