153 祭りの夜 ソフィー・ウェストン

祭りの夜 (ハーレクイン・クラシックス)

祭りの夜 (ハーレクイン・クラシックス)

スタント・ガールとして活躍するジョーは仕事を断った。以前、その主演女優と仕事した際に彼女に不気味なものを感じたせいだった。しかし、ロケで事故が続発し、再びジョーの元に破格な報酬で仕事が齎される。ジョーの両親は彼女が子供の頃離婚し、強欲な父はジョーの敬愛する祖父から屋敷を取り上げようとしていた。ジョーは抵当権を買い取るため大金が必要だった。ロケ地に着いたジョーは監督のセブの強い個性に圧倒され、不吉な予感を覚える。
主演女優アンナ・ベスに心酔する助手のサイモンから監督の指示だと言われたとおりのスタントを完璧にこなしたジョーはセブからスタンド・プレーだと責められサイモンにはめられたことに気付いた。セブに怒鳴りつけられ、キスされた時昔の悪夢が甦り、ジョーは気を失った。その昔、母の若い夫にレイプされかけた記憶は悪夢となって、またジョーの眠りを奪い始めていた。セブは自分が近づく度に彼女が見せる恐怖に戸惑っていた。
アンナがジョーの乗っていた馬一頭を残して、馬たちと共にいなくなり現場は騒然となるが、決められたシーンを撮るためジョーはロケ地に向かった。途中で倒れるアンナを見つけたジョーは馬を下り救助に向かうが、アンナはジョーから馬を奪って走り去った。後に残されたのはアンナが乗ってきた暴れ馬だけだった。仕方なくその馬に乗ってロケ地に行ったジョーは何とかシーンを撮り終えるがセブはジョーの弁明も聞かず怒鳴り倒した。最後の決闘シーンでサイモンから変更を聞かされたジョーは訝しく思いながらも指示に従った。ジョーの剣が宙を舞った瞬間、相手の剣の切っ先のポイントが外れ彼女の肩に突き刺さった。医師を呼んだことで事件に発展しそうになり、記者会見を開いたあと、何とか残りを撮り終えジョーは逃げるようにロケ地から立ち去った。セブを恋していることに気付いたジョーは狂ったように働いた。エージェントから映画の完成試写会があることを聞かされたジョーは行きたくないと答えるがセブから何度も電話があったことを聞いて驚く。
映画は素晴らしい出来で、ジョーは感激したがセブには近づきたくなかった。ジョーはセブが齎す自分の反応に怯えていた。
タクシーで帰りつきほっとしたのもつかの間、玄関のベルが鳴り響いた。そこに立っていたのは彼女を付けてきたセブだった。彼はジョーに会った瞬間から彼女に惹かれていたこと、彼女なしには生きられないことを告げた。


結構ロマンチック。否応なく惹かれていく切ない心が何とも素敵です。ホットではないですけどね^^