123 悪魔の谷 イヴォンヌ・ウィタル

悪魔の谷 (ハーレクイン・ロマンス (R932))

悪魔の谷 (ハーレクイン・ロマンス (R932))

結婚してサタンズラーグテに住み始めたジョーは夫ラーフの母が自分を受け入れる気がないことを気付いた。ラーフと二人きりになれるのは寝室だけで、家の切り盛りは義母一人のもので、ジョーにできることは何もなかった。何一つジョーの思い通りになるものはなく、ほとんど泊まり込み状態のローリンはラーフへの思いを隠そうともしなかった。義母とローリン二人の精神的攻撃は耐えがたく、苛立つジョーは次第に憔悴していく。親子が仲たがいすることは避けたかったジョーは全てを自身の胸に押し込め、沈黙するジョーにラーフは溶け込む努力をしていないと非難した。ラーフが寝室を別にした時の義母の勝ち誇った顔からジョーは義母の言う通りこの地は自分が住むべき土地ではないと思いこみ始める。半年後、ラーフから離婚を言い渡された時ジョーはほっとした。離婚して三年後兄から会社が危機的状況であると聞かされ驚愕する。資金調達のためラーフに会って頼んで欲しいと兄は言った。銀行には融資は望めず唯一借りられそうなのはラーフだけだと言うのだった。母の心痛を思って仕方なくラーフに会いに行ったジョーはラーフから結婚して後継ぎを産んでくれるのなら融資しようと言われる。他の選択の余地はなかった。数日後結婚したジョーは二度と足を踏み入れるまいと決心していたサタンズラーグテに向かった。ラーフは以前結婚した彼とは別人に変わっていた。冷たく傲慢で妻を買ったことを至極当たり前のように捕えジョーを傷つけた。義母は留守にしており、好きなようにしてよいと許可を得たジョーは自分のできることを増やしていった。離婚後ラーフが別人になり、一年前義母とラーフが大喧嘩をしたことを聞いたジョーは疑問を持ち始める。結婚後、自分の手紙に何の返事もよこさない母と兄も変だった。やがて帰って来た義母は新しく作られた離れに住み、ジョーがここの女主人だと明らかにされジョーは嬉しかった。ラーフのよそよそしい態度に義母が瞳を曇らせるのを目にしてジョーはますます疑問を募らせた。妊娠がわかり、融資の引き換えの子供なんてと悲嘆に暮れるジョーにラーフは融資はなかったと言った。それはラーフと兄の考えた策略だったのだ。ある日、義母はジョーに結婚を妨害したことは間違っていたと告白する。ジョーは謝罪を受け入れ妊娠した今彼女の助けを必要としていると告げ二人は和解した。今度こそ真実を知る時だとジョーは書斎に向かった。ラーフは離婚は間違いだったと告げた。ジョーを失って生きる意味を失くし、何としても取り戻したかったと。不安に陰る目を見つめてジョーはラーフに愛していると告げた。


結構ホットです。融資が嘘ってとこはちょっと考えなかったなぁ。意外でした。