119 恋の遺伝子 リズ・フィールディング

恋の遺伝子 (ハーレクイン・ロマンス (R1803))

恋の遺伝子 (ハーレクイン・ロマンス (R1803))

両親の死後、古ぼけた家を維持するためホリーは下宿人を募集し、家賃を貯めて家の改装に充てようとする。ある日、母の従妹の友人だという男が訪ねてきて葬儀に出席するよう告げる。ジョシアと名乗るその男はメアリーの遺言執行人で、ホリーを蔑んでいることを隠そうともしなかった。一度しか会ったことのない母の従妹が自分を覚えていたことに戸惑い葬儀そのものの陰湿さから断ろうとしたホリーだったが、彼はホリーの拒絶を許さなかった。仕方なく同行したホリーはメアリーが全ての財産を彼女に残したことを知る。メアリーの広大な屋敷の彼女の寝室にホリーの幼少の頃からのファイルが見つかり混乱したホリーは逃げ出してしまう。メアリーはホリーの産みの母だったのだ。ジョシアはホリーを連れ戻し、ホリーは自分が屋敷を売れば敷地内の恵まれない子供たちのキャンプ施設が取り壊されてしまうことを知った。敷地内を探検したホリーはメアリーが作ったアトリエを見つけ自分のために作られたことを知る。屋敷の売却を取りやめてホリーはジョシアに惹かれ、ジョシアもまたホリーを求めていることが明らかになるが、家政婦の昔話からジョシアの父のイニシャルがAであることを知ったホリーは自分の父親だと確信した。メアリーの古い日記に書かれていた逢瀬の記録は如実にそれを示していた。ジョシアを愛していても兄妹では結婚できない。婚約のため指輪を持って来たジョシアを心にもない言葉で遠ざけホリーは屋敷を売却し育った家に戻った。大学の学部長から風刺画を描いて欲しいという依頼が来て断ろうとしたホリーは下宿人からガールフレンドが来るから一日留守にして欲しいと言われ渋々指定された家に向かった。その老判事はメアリーの記憶を話しホリーの父だと名乗った。茫然とするホリーが宿泊する部屋に足を踏み入れるとそこにはジョシアがいた。気絶したホリーが恐る恐る目を開けると夢ではないジョシアがそこにいた。ジョシアはホリーが突然心変わりをした理由を探し出したのだった。何の障害もなくなった二人は結婚を誓った。


メアリーを主役にしたら、すごく悲しい話になるねぇ。妻子ある人と恋に落ち、彼の未来のために愛に背を向け、愛する我が子と距離を置いた。自身の望みはひた隠しにして一人で老いて死んでいった女の話・・・。人生って一度きりだし、やり直しはきかないんだけどねぇ・・・。