617 仮面の下の純情 スーザン・スティーヴンス
- 作者: スーザンスティーヴンス,Susan Stephens,藤倉詩音
- 出版社/メーカー: ハーレクイン
- 発売日: 2008/04
- メディア: 新書
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家族も歴史も、何もなかったカズにとって、それは晴天の霹靂だった。
彼女は週末を利用して、相続した家を見に行くことを決めたが、道中で、運転を誤り、車は大破する。車から、カズを救いだしたのが、ガレムだった。
ガレムは、父の愛人が姪に、自分が生まれ育った家を残したことに、腹を立てていた。どんなことをしても、自分のものにしようと、彼は決意していた。
ガレムは、この崩壊した家を見たら、きっとカズは売り払う決断を下すだろうと思っていたが、カズは即座に修復を決意してしまう。
そして、カズは生まれて初めて、性の目覚めを感じて、ガレムを求めた。二人は惹かれあい、週末の間中、抱き合った。
冷静なカズは、ガレムが家を欲しがっていることに気付いていた。だが、純情なカズは、一途にガレムを愛していた。
週末が終わり、カズは元いた世界に帰って行った。
重役に抜擢されて、初めて最高責任者に会うことになっていたカズは、その部屋を訪れ、それがガレムであったことを知る。
経歴を詐称し、名前を変えていたことも、カズの不幸な生い立ちも、全て知っていたのだ。
未来の扉が閉ざされた音を、カズは聞いた気がした。
冷静なカサンドラの仮面を盾に、カズは辞表を書きなぐったが、ガレムは受け取ろうともせず、彼女を車に乗せ、彼女が相続した家に連れて行った。
ガレムは、育った家を取り戻そうとしていたことを認め、思いがけず恋に落ちてしまったと告白した。全てを手に入れたいのだと、彼は言った。家もカズも欲しい。そして、ガレムはプロポーズした。
冷酷で俗物主義で有能なカサンドラを、カズは嫌いだった。ガレムはありのままのカズでいいと言ってくれているのだろうか。
カズの不安を、ガレムは打ち消し、彼女を愛しているとわからせた。
金曜に出会って、土曜には同じベットで眠り、月曜にプロポーズ。すごいわ!