598 花嫁の胸騒ぎ リー・ウィルキンソン

花嫁の胸騒ぎ (ハーレクイン・ロマンス (R2237))

花嫁の胸騒ぎ (ハーレクイン・ロマンス (R2237))

ベサニーは17歳の時、両親と出かけたコンサートでジョエルを見かけ、恋に落ちる。初恋はベサニーの心に住みつき、彼を忘れることはできなかった。
骨董店で働くベサニーは、ある日買付のために一人の老婦人を訪ね、その帰り道でパンクしたタイヤに奮闘している所をジョエルに助けられる。忘れられなかった男性を前に、ベサニーの心は高揚した。霧のために、宿泊せざる得なくなって、二人は宿をとり、ベサニーは求められるまま、彼を受け入れた。だが、幸せな気分で目覚めたベサニーは、一人きりで残されたことに気付いて、愕然とする。私はただの一夜の相手でしかなかったのだ。
憂鬱な気分のベサニーは、マイケルの誘いが有り難かった。彼は楽しい気持ちにさせてくれる。ベサニーは、マイケルが店を訪れた時から交際していたが、友情以上になることは考えていなかった。マイケルはベサニーに、金銭問題に悩まされていることを告白し、相続した屋敷にある品を鑑定して欲しいと言い、その屋敷にベサニーを案内した。ベサニーはかなりの値打ちがあると確信したが、マイケルに鑑定士を頼むことを提案すると、彼はベサニーにこの屋敷に泊まるよう言った。そして、帰ると言うベサニーの唇を奪おうとする。抗うベサニーは、突然解放され、目を向けると、そこにジョエルがいた。ジョエルはマイケルの義兄だった。即座に辞去したマイケルは、ベサニーを送ると、彼女にプロポーズした。愛していないから結婚はできない。そう、ベサニーが答えると、明日のランチの時に返事を聞かせて欲しいと言って、マイケルは帰って行った。直後、ノックの音がし、現れたジョエルにベサニーは目を疑った。だが、ジョエルは彼女の抵抗を無力化し、彼女をベッドに誘った。翌朝、また一人で目覚めた時、彼に対して無力な自分に、ベサニーは屈辱感を感じる。しかし、予想に反して、戻って来たジョエルは、週末を彼女と過ごすと言い、彼女をせきたて、空港に向かった。
マイケルと交際していたくせに、彼と夜を共にした私を、彼はふしだらな女だと思っている。その事に、ベサニーは耐えられなかった。しかし、ジョエルは、そう考えてはいないと答え、周囲にも、彼女に敬意を払うよう指示した。
招待されていたパーティで、ジョエルは彼女を婚約者だと告げる。数日前に会って、結婚?それは、ベサニーが夢見ていたことだったが、ベサニーの頭の中で、何かが違うと告げていた。それでも、彼の妻になりたい気持ちは、全てを凌駕する。
二日後、結婚した後で、慌ててやって来たマイケルの言葉から、謎は明らかとなる。マイケルは結婚という条件を満たし、相続した屋敷を売って、金を作ろうとしていたのだ。ジョエルは、それを阻止するために、マイケルからベサニーを奪い取った。ベサニーは、ジョエルが、彼女が家から小物を盗んだと思っていたことを知った。ベサニーには、ジョエルの愛以外欲しいものなどなかった。家を飛び出したベサニーは、タクシーに乗り込むが、信号で追いつかれ、ジョエルに捕まる。憤慨して、離婚すると息巻くベサニーを、ジョエルは解放する気はなかった。翌朝、ベサニーがキッチンに顔を出すと、ジョエルは全てを告白した。ジョエルの真摯な態度と言葉は、ベサニーの心を溶かした。ベサニーは、17の時から、彼に恋していたことを、彼に明かした。


ただ、すれ違っただけの幼い恋は、偶然の再会で再燃する。だが、それは偶然ではなく、仕組まれた罠だった。男は、手くせの悪い弟のガールフレンドの確証を掴もうとして、彼女に近づき、心を奪われてしまう。という話。