577 罪深き美女 ロビン・ドナルド

罪深き美女 (ハーレクイン・ロマンス)

罪深き美女 (ハーレクイン・ロマンス)

父が亡くなったあとで、アリーは父の結婚と離婚の証明書、それにその女性の再婚の記事の切り抜きを見つけた。生後まもない自分を捨てた理由が知りたい。アリーはそのマリアンという女性に、会って話が聞きたいと手紙を書いた。
マリアンは手紙に酷くショックを受け、義理の息子スレイドに相談を持ちかける。スレイドは調査の傍ら、アリーの職場を買収する。
アリーはマリアンが拒絶していることを知って、落胆した。だが、彼女を苦しめたい訳ではない。諦めるとアリーは言ったが、スレイドはアリーがこの地に留まることを条件に、職場を閉鎖しないと脅した。島民たちの生活の糧を守るために、アリーは条件を飲んだ。アリーの出したプランが成功して、事業は黒字に転向し、1年半後、アリーは島を離れた。マリアンに近づかなければいいのだからと、アリーは母の国で仕事を見つける。
ヨットから乗組員を助け出したことが記事になったひと月後、スレイドが現れ、マリアンが会いたがっていることを知らされる。
アリーの実の母はマリアンの姉だった。アリーは不義の子供だったのだ。事実にアリーは打ちのめされる。ただ一人の肉親が、憎むしかない相手だとは。マリアンはアリーと知り合いたいと共に過ごすが、ある日、倒れ入院してしまう。マリアンのために、自分はここにいるべきではない。
アリーはそこから立ち去り、3カ月の放浪の末、故郷に帰って来た。古いモーテルに滞在して、級友との再会を考えていたアリーは、スレイドの姿に驚く。彼はマリアンが心配し、話があると言っていると告げる。また、逃げ出すことはできなかった。そして、アリーは亡き母の恐ろしい行いを知らされる。もうこれ以上は耐えられない。
ショックを受けたアリーをスレイドは労わった。二人はスレイドの家で数日愛し合って過ごす。素晴らしい時間だったが、アリーは、いつかこの夢が醒めることを知っていた。このまま、彼の愛人になるつもりはない。
マリアンの名付け子が訪れ、亡き母の権利であった信託財産がアリーのものとなり、それを手に入れるためにスレイドが自分を妻にしようとしていると聞かされる。帰ってきたスレイドは、出て行こうとするアリーに愛していると告げ、やっと二人は心を通わせた。


「君は僕に何をしたか、わかっているのか?それも最初から。君を見るたびに、僕の脳細胞は活動を停止し、君を求めることしかできなくなってしまうんだ。もしも君がいなくなったら、この先ずっと、僕は君を探し求め、君を恋しく思いながら過ごすことになる。君はそれを打算的だと言うのか?くそっ、僕は君を愛しているんだ」素敵ねー!