131 記憶の闇のむこう メッツィ・ヒングル

記憶の闇のむこう (シルエット・ディザイア (D936))

記憶の闇のむこう (シルエット・ディザイア (D936))

ハリケーンが荒れ狂ったある日、母親から教会に置き去りにされた3歳のクレアは里親と施設を行ったり来たりを繰り返し大人になった。卸し専門のデザートショップを立ち上げたクレアは顧客を増やそうとマットのホテルへ乗り込んで仕事を勝ち取った。マットはクレアに一目惚れで、強引に結婚にこぎつける。マットはクレアのために探偵を雇いクレアの母親が殺されていたことを掴んだ。クレアは素情のわからない妻を恥じているためだと激怒し家を出て行った。マットは謝罪し彼女を取り戻そうと努力するがクレアの頑なな態度は変わらず、半年の別居生活の後、クレアが暴漢に襲われる事件が起きる。頭を強く殴られたせいでクレアは記憶喪失になりマットのことも何もかも覚えていなかった。マットはこのチャンスにクレアを取り戻す決心をする。優しく気遣うマットにクレアは戸惑った。時たま微かに記憶の扉が開きかけ掴もうとすると激しい恐怖が襲ってくる。やがてクレアは過去は関係なく、今この時マットを愛していると確信し彼の子供を作りたいと熱望した。
大きなハリケーンが迫ってきた時、一人の男がクレアの前に現れる。突然クレアは記憶を取り戻し、その男が誰かを理解した。クレアが置き去りにされた夜、その男が母を刺し殺すところをクレアは目撃していたのだった。母の愛人だった男はクレアが見たことを話せないよう彼女をも殺すつもりだった。マットは嵐が吹き荒れる中急いで戻ってきて、銃を突きつけられるクレアを見つけた。物陰に隠れチャンスを待って、マットはクレアを救った。
警察に男を引き渡したあとで、マットはクレアにもう一度謝罪し欲しいのはクレアだけだと告げた。傍にいてくれれば、それだけで十分だと。
クレアは許さなくてはいけないことは何もないと言った。逃げていたのは、マットからではなく、自分自身からだったのだ。娼婦の母とそのひもだった男から生まれた自分を恥じ、マットに相応しくないと思いこんでいたのだった。クレアはマットに永遠の愛を誓った。


この人の作品、このところ立て続けに読んでるけど、結構ホットです。