眠り猫 花村萬月

眠り猫 (新潮文庫)

眠り猫 (新潮文庫)

夫の残虐性を目の当たりにして離婚を決めた女は故郷で飲み屋を始めるが、彼女に惚れこんで通い詰める男もまた極道だった。男は麻薬の力で女を手に入れるが、女がいまだに別れた夫に心を残していることに気付く。
妻に捨てられた男はやくざを辞め探偵になっていた。舞い込んだ浮気調査の依頼。それは探偵を元妻の元に引き寄せる。
部屋に元妻の写真を飾り、ウサギと生活する探偵はやがて死体となって見つかり、相方であった元刑事は他殺であることに気付いた。
眠り猫の異名を持つ元刑事は元女優のホステスと共に事件解明を誓う。


惚れた男と別れて、身を持ち崩した女。やくざの情婦になり、薬に溺れながらも、心の片隅で亭主が現れることを待ち望んでいる。だが、男は遠くから眺めることしかできない。
そして惚れた女の身体だけを手に入れた男は、女の心を捕えている男に殺意を抱く。


切ない!だけど、それほど惚れられてみたい!
こういう普通の小説って、登場人物が美男美女ってのは同じなのに、ハーレクインと違ってハッピーエンドにならないんだよなー!やっぱり私はお伽噺が好きだーー!末永く幸せになって欲しいんだわ。じゃなきゃ悲しいもん。